賃貸マンションやアパートを借りる時には、正式な契約をする前に必ず「入居審査」というものがあります。
流れとしては「入居審査にOKが出る→正式な契約」となるのですが、審査の後に「やっぱり別の部屋がいい!」ということもありますよね?
もちろんこの場合でもキャンセルすることはできます。
ただしすでに審査が終わった後でのキャンセルには、それなりのデメリットがあります。
そこで今回は、入居審査後のキャンセルについての疑問をわかりやすく解説!
「どうすればキャンセルできるの?」「キャンセルしたら違約金や返金はどうなるの?」などの疑問やキャンセルをするデメリットなどもわかりやすく紹介していきます。
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このページでわかること
1. 賃貸の入居審査後のキャンセルには要注意!
正式な契約となる前に行う「入居審査」では、わかりやすく言うと「あなた(入居希望者)にこの部屋を貸しても問題なく家賃を支払うことが出来るのか?」ということを大家さんが確認するためのものです。
だから「入居時に貯金がたくさんある人」よりも、「貯金はそれほどなくても毎月確実に家賃を払うだけの収入がある人」の方が審査に受かります。
ですから審査では「どんな仕事をしているのか(勤務先)」「家賃を支払うことが出来るだけの収入があるのか(年収または1か月の手取り金)」「保証人にも家賃を支払うだけでの収入があるのか(保証人と入居希望者の関係なども含む)」などが審査されます。
ちなみにこれだけが審査の対象ではありません。
あなたの人柄も審査の対象になります。
なにしろ賃貸住宅は集合住宅ですから、入居後に他の住人とトラブルを起こすような人は避けたいですよね。
それに不動産会社にとってはこれこそが大家さんへアピールする大事なポイントになります。
あなたの人柄がよければ、大家さんの印象はグッとよくなります。これはあなただけでなく不動産会社への評価も同じです。
「この不動産会社にお願いすれば、いいお客さんを紹介してくれる」と考えてもらえるようになるわけですから、不動産会社としてはこの部分でポイントを稼ぎたいというのも本音です。
ですから審査は厳しいです。
時間をかけてチェックし「この人であれば間違いなくこの物件を貸しても問題を起こすことがない」と分かると、ようやくOKが出ます。
単純に「入居審査」といいますが実際にはこれだけのことを調べるわけですから、審査が通った後にキャンセルをすることが出来たとしてもやはりデメリットはあります。
2. 賃貸の入居審査後にキャンセルした場合の違約金や返金について
違約金は払わなければいけないの?
入居希望者が入居審査を受けている間は、まだあなた(入居希望者)と大家さん(貸主)との間では何の契約も成立していません。
ただし審査を受けるということは「この物件に入居する意思がある」ということですよね。
ですからあなたは審査を受ける為に「申込書」というものを不動産会社に提出しているはずです。
ここが違約金の有無で重要なポイントになります。
そもそも審査を受けるためにあなたが書いた書類は「申込書」であって「契約書」ではありません。
違約金は「契約において何らかの不利益を相手に与えた時に発生するもの」です。
簡単に言ってしまえば、「契約をする前の段階では違約金を支払う必要がない」というわけなのです。
そもそも賃貸契約の流れは以下になります。
- 入居の申込書を出す
- 入居審査を受ける
- 審査に通る
- 賃貸契約をする
ですから審査に通っただけではまだ契約を済ませていないのです。
だからこの時点でキャンセルをしたとしても、あなたが違約金を支払う必要はありません。
もちろんキャンセル料もありません。
預かり金は返金してもらえるの?
一般的に「審査を受ける」ということは、よほどの事情がない限り入居の意思がはっきりしているということですよね。
ただ人気の物件の場合は、あなた以外にも希望者が続々と出てきます。
しかも審査には数時間~3日程度時間がかかります。
この間に他の入居希望者が先に契約してしまうと困りますよね。
そこで申込書を提出する時点で物件の仮押さえをしてもらうためにお金を払います。
これが「預り金」です。
でもあくまでもこれは「預り金」ですから、契約をすれば契約にかかる費用に充当されます。
ただし審査後にキャンセルをするのであれば「正式な契約の前にキャンセルする」ということですよね。
ですからこれも違約金やキャンセル料と同じで全額返金されます。
3. 入居審査後にキャンセルした場合のデメリット
不動産仲介会社の担当さんとしっかり話ができていれば、あなたにとって大きなデメリットはありません。
賃貸借契約を結んでいないので、預り金として支払ったお金があれば返金されるのは当たり前です。
ただし、入居を急いでいて鍵交換まで無理やりしてもらい、清掃も無理を言ってやってもらったのにも関わらず直前でのキャンセルといった場合は、なにかしらの請求を大家さんからされる場合もあるそうです。
ただし、法的に成立してしまうので「申込みをし大家さんが承諾した時点で契約が成立した」と考えると不動産業者もいるようです。
その場合には問題になってきますので、申し込む前に不動産業者に確認をしましょう。
ただし、不動産仲介会社の担当さん、大家さん、管理会社、審査会社をそれぞれ動かしていることには変わりありませんので、安易なキャンセルは迷惑になります。
また、それによってその部屋に住みたかったのに、あなたの申込みが入っていたのであきらめた、という人がいるかもしれません。
何度も同じ様なキャンセルがある場合はどこかの審査で「どうせまたキャンセルするんだろう」と引っかかる可能性も出てきますので、キャンセルする場合は不動産仲介会社の担当さんとしっかり相談してからにしましょう。
4. 賃貸契約後にキャンセルしたい場合
契約をした後のキャンセルは原則としてできない
審査の後でもキャンセルをすることが出来るとは言いましたが、審査が通った後には正式な契約手続きがあります。
この手続きは書類にサインをするだけではありません。
まず契約書に書かれている内容について不動産会社から細かく説明があります。
契約書には様々なことが書かれています。
「家賃に関すること」「設備に関すること」「入居者が守らなければならないルール」など項目も幅広いです。
でもこれらをきちんと説明する義務が不動産会社にあります。
ですから申し込みをしたあなたが契約書の内容に全て納得するまできちんと説明をしなければいけません。
この説明に全てあなたが「わかりました」と答えた時に、初めて契約書のサインとなります。
もちろん説明を受けている時点でキャンセルをするのであれば、何の問題もありません。
何しろあなたはまだこの時点では契約書にサインをしていないので、正式に契約をしたとはいえません。
ところがすべての説明を受け契約書にサインをした時点で、状況は180度変わります。
「契約書にサインをする」ということは正式に契約が成立したということを意味します。
ですからこのサインをした後に「やっぱりキャンセルしたい」と申し出てもそれはできません。
もちろんどうしてもキャンセルするのであれば、違約金やキャンセル料を払う必要が出てきます。
さらに契約に必要なお金(初期費用)の支払いにも応じなければいけません。
つまり同じ「キャンセルをする」でも、契約の前と後ではその後の内容が全く違ってきます。
ですからあなたの気持ちの中で「本当にこの部屋を契約してもいいのかな?」という想いがあるうちは絶対に契約書にサインをしてはダメです。
キャンセルを申し出るタイミングはとても大事なのできちんと覚えておいてくださいね!
転勤などやむを得ない事情が出来た場合
原則として契約書にサインをした後にキャンセルをすることはできません。
でも「契約した直後に転勤が決まってしまった」「長期入院が必要な病気になってしまった」などやむを得ない事情が出来てしまうこともありますよね?
この場合は、とにかく一度不動産会社に相談してみるのがおすすめです。
原則としてすでに契約をしている場合はキャンセルすることはできません。
でもやむを得ない事情がある場合のキャンセルの対応は、不動産会社によって違います。
もしも事情を考慮してもらえる不動産会社であれば、事情を大家さんに説明してキャンセルに応じてもらえる可能性もあります。
ただしあくまでも「原則はキャンセルできない」ですから、申し出る時も「断られても仕方がない」ということはちゃんと覚悟しておいてくださいね。
5. まとめ
審査の後のキャンセルでも、正式な契約をする前であればキャンセルをしてもあなたが損をすることはありません。
ただし契約書にサイン(印鑑を押す)した時点で、契約は成立したことになりキャンセルは出来なくなります。
ですからキャンセルを申し出るタイミングは十分に注意してください。
少しでも不満がある場合は、サインを求められても「少し考えさせてください」と言ってもう一度考え直す時間を持つようにしましょうね。




