賃貸の場合、入居当日には引っ越し作業以外にも様々な手続きをしなければいけません。
電気の契約については忘れずに済ませている人がほとんどなのですが、意外と忘れがちなのが「ガス契約」です。
引っ越し作業が終わって「さあ、新居で初めてのお風呂に入るか!」と給湯器のスイッチを押したときに初めて契約し忘れていたことを思い出す人も…。
これではせっかく順調にスタートしたはずの新居生活1日目も台無しです。
そこで今回は完ぺきな新居生活初日を迎えるために知っておきたい「ガス契約」の話をまとめてご紹介します!
事前に準備が必要なものや契約までの流れ、また入居初日からきちんとガスが使えるようにするためのポイントなども、わかりやすく紹介します。
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このページでわかること
1. 賃貸入居のガス契約で準備しておきたいもの
1-1. 入居物件のガス会社を調べておく
ガス会社には「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類があります。
この2つは「ガスの料金」に違いがあります。
都市ガスは公共料金となっているので、ガス料金は一律です。
シーズンや地域によって多少の料金の違いはありますが、「公共ガス」ですから最も安心して使うことが出来るのがメリットにあります。
これに対してプロパンガスの料金は、ガス会社によってそれぞれ違います。
都市ガスよりも安く料金設定している会社もあれば、都市ガスの2倍近く高い料金設定にしている場合もあります。
ただ問題なのは「賃貸物件ではガス会社を選ぶことが出来ない」ということです。
戸建て住宅の場合は、家主がガス会社を選ぶことが出来ます。
ですから家主のライフスタイルに合った料金設定をしているガス会社を選べば節約につながります。
ところが賃貸マンションやアパートの場合、集合住宅ですし家主は「あなた(借主)」」ではなく「大家さん」になります。
ですからあなたが自由にガス会社を選ぶということは基本的にできません。
またガス契約に必要なものも、契約するガス会社によっても若干異なります。
また申し込みをするタイミングもガス会社によって違います。
ですから面倒な手間をかけずにスムーズに契約・開栓作業をしてもらうためには、あらかじめ入居物件がどこのガス会社を利用しているのかを調べておくことが大事です。
1-2. ガスの種類にあったコンロを準備する
ガスコンロを持ち込む場合、ガスの種類によってコンロの種類を変えるのが安全に使うためのポイントになります。
ガスの種類は「都市ガス」と「プロパンガス(LPガス)」となりますが、あなたが今使っているコンロは現在使用しているガスの種類にあったコンロになっているはずです。
これはガスを安全に使うために必要なことなので、あなた自身が自覚していなくてもガスの種類にあったコンロを選んでいるのが一般的です。
ちなみに現在使っているコンロがどのタイプなのかは「ガスコンロの型番」をチェックすればわかります。
まず都市ガスの場合です。
都市ガスの場合は、コンロの型番の末尾に「12A・13A」と書かれています。
これは都市ガス専用のコンロの場合につけられます。
これに対してプロパンガスの場合は、コンロの型番の末尾に「LP」と書かれています。
LPは「LPガス=プロパンガス」ですから、この場合はプロパンガス専用のコンロだということになります。
新居のガスの種類が違うだけで今使っているガスコンロが使えなくなると説明すると「それはガス会社の売り文句なだけなんじゃないの?」と思うかもしれません。
でもガスの種類に対応している専用のコンロを使わないと、大変なことが起こる危険があります。
例えば正常にコンロが作動せずに一酸化炭素中毒を起こしてしまうリスクがあります。
さらにうまくガスに火が点火できないということは火災の原因になります。
火事が起これば最悪の場合、命にかかわるような重大な事故となる恐れもあります。
ですから現在使用しているガスと新居先のガスの種類が違う場合は、「入居までにコンロを買い替える」ということも大事なのです。
1-3. コンロ台の幅も事前にチェック
賃貸でコンロの持ち込みが必要な物件の場合、コンロのタイプとしては「据え置きタイプ」が一般的です。
据え置きタイプには、サイズが「59cm」と「56cm」の2種類になります。
当然ではありますが、コンロ台の幅が56cmしかなければ59cmのコンロを置くことはできません。
もちろんコンロ台の幅が59cmに56cmのコンロを置くのであれば問題ありませんが、コンロとコンロ台に隙間が出来てゴミが溜まりやすくなるのでこまめな掃除が必要になります。
1-4. コンロを購入する場合は壁の位置も確認
2口コンロの場合、左右のバーナーの火力は違います。
どちらかの火力が強くなっているのですが、コンロの種類によっても「どちらのバーナーの火力が強いのか」は違います。
この違いは「壁の位置」と関係します。
壁に火が引火してしまうと火災を起こす危険があります。
そのためガスコンロを選ぶ場合は、壁側に火力の弱いバーナーとなっている物を選ぶのが基本です。
引っ越しに併せて新しくコンロを購入する場合は、この点も気を付けて選ぶことが大事です。
2. ガスの契約の流れは?
2-1. ガス契約は当日申し込みではできない
電気や水道の契約は、入居当日に連絡をしてもすぐに対応してもらうことが出来ます。
ところがガスの場合は、これが出来ません。
そもそもガスは「危険物」になります。
ですから資格を持ったスタッフが設置及び開栓作業を行います。
また契約者はその作業に立ち会わなければいけませんので、あらかじめ予約をしておかないといけません。
2-2. 引っ越し当日に契約する場合はいつ予約する?
引っ越し当日に契約・点検をしてもらう場合は、引っ越し作業が一段落する時間に合わせて予約を入れておくのがポイントです。
「引っ越し作業の間に同時にガスの開栓・点検まで終われば便利なのに…」と思うかもしれませんが、台所には冷蔵庫や食器棚などの大型の荷物も数多くあります。
また賃貸物件では玄関のすぐそばにキッチンがあることが多いので、キッチンを通らなければ部屋の中に荷物を搬入することが出来ないことの方が多いです。
このように部屋の中が混雑した状態の中でガスの開栓作業・点検をするのはとても危険です。
ですから面倒であってもガスの契約・開栓などは「引っ越し作業がひと段落ついた頃」を見計らって予約しておくことがポイントになります。
2-3. 引っ越しシーズンは早めに予約を!
引っ越しシーズンである2月下旬から4月初旬までは、ガス会社も繁忙期を迎えます。
シーズン以外であれば、事前に予約さえ入れておけばほぼあなたの希望通りの時間に対応してもらうことが出来ます。
ところが引っ越しシーズンになると、ガス会社の担当者も1日にたくさんの物件を訪問しなければいけなくなります。
もちろん訪問時間の指定は「早めに予約をした人が優先」となります。
ですから入居日が間近に迫ってから予約を入れても、最悪の場合入居から数日後にしか予約が取れないこともあります。
3. プロパンガスは保証金がいる?
プロパンガスの場合は、契約時に「保証金(預り金)」が必要です。
金額についてはガス会社によっても異なりますが、相場としては「1万円」です。
開栓の予約電話を入れた時に保証金の金額についても提示がありますので、必ず確認をするようにしましょう。
ちなみに契約時に支払うお金はあくまでも「保証金」ですから、退去(解約)をする場合には基本的に返金されます。
ですから「預り金」という意味で支払います。
4. 入居日から使いたい場合は?
ガスの契約では開栓作業などに立ち合いが必要になるので、思っている以上に時間がかかります。
引っ越し当日はそのほかにも様々な手続きがありますので、出来れば時間のかかることは当日避けておきたいですよね?
また引っ越しは週末(連休)を利用して行う人が多いので、ガス会社の予約も同じく週末に集中します。
つまり最悪の場合「引越しの当日にガスが使えないかもしれない」ということも考えておかなければいけません。
このような事態を避けたいのであれば、「鍵の受け渡しの際に契約をする」という方法がおすすめです。
不動産会社との契約がすべて終了し無事に鍵の受け渡しが終われば、借主であるあなたが部屋のオーナーになります。
ですから鍵の受け渡しが終われば、そのあとにガスの契約をすることもできるのです。
この方法であれば引っ越し当日のあわただしさの中で手間のかかるガスの契約に立ち会う必要もありませんし、引っ越しした当日にガスが使えないということも避けることが出来ます。
もちろんこの場合も、あらかじめガス会社に開栓の予約を入れておくことはお忘れなく!
5. まとめ
ライフラインである「ガス・水道・電気」の3つは入居当日からすぐに使えるようにしておくことが、完璧な新居生活初日のためには大事なことです。
ただ水道・電気とは違いガスは危険物なので、専門スタッフによる点検が必要になります。
そのためあらかじめ予約をしておかないと、引っ越し当日に使えないということにもなってしまいます。
せっかくの新居初日からトラブル続きにならないためにも、ぜひ早めに予約を済ませておくようにしてくださいね。





