最適な賃貸物件用火災保険は?保険料と補償内容の比較が最良の方法

賃貸物件の契約をするときに火災保険はすでに契約の一部に組み込まれているために、火災保険自体について考えたことがある方は少ないのではないでしょうか。

実は、火災保険を見直すことで、保険料を抑えられるだけではなく、ムダな補償を省けます。

火災保険に加入することは賃貸契約を結ぶときの必須条件とも言えますが、決められている火災保険だけが選択肢ではありません。

様々な賃貸住宅用火災保険がありますので、他の保険と比較して自分にピッタリの保険を見つけましょう。

まずは、賃貸住宅火災保険とは『どんな保険?』なのかを紹介してあります。

火災保険を選ぶときに意識したいポイント、保険料を抑えるコツなどの情報も合わせてまとめてみました。

今まで火災保険を意識していなかった人も、これから賃貸契約を考えている人も、ぜひ参考にして充実補償でお得な保険に加入しましょう。

 

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1. 賃貸住宅用火災保険とは?

賃貸契約を結ぶときに火災保険の加入は義務付けられていませんが、さまざまな理由から火災保険に入っておくことで、大きなサポートが受けられます。

賃貸住宅火災保険は別名『家財保険』と呼ばれるように、火事にあったときに部屋の中にある荷物や電化製品、家具などに対して補償されます。

借り手が賃貸住宅用火災保険に加入するように、大家さんも持ち家である建物を補償する火災保険に加入しています。

提供している保険会社によって補償の内容は変わってきますし、保険料にも違いが生じてきます。

契約前に各々の保険内容がどのようになっているのかを確認することが必要ですが、一般的な賃貸住宅用火災保険の大きな役割を3つお伝えします。

家財保険、借家人賠償責任保険と個人賠償責任保険が組み込まれているものが、賃貸住宅用火災保険を選ぶ際には最もおすすめだと言えるでしょう。

1-1. 家財保険

入居者が加入する保険で主要な部分を占めているのが、「家財保険」です。

家事で賃貸物件が焼けてしまった場合に、大家さん自身も保険には加入しているのですが、大家さんの保険は建物補償がメインですので、入居者のタンスやテレビなどの家具や家電、洋服や小物などは対象外です。

入居者の財産であるほとんどの家財類が、火災保険の補償の対象です。

テレビや冷蔵庫、食器棚、洋服たんす、布団に洋服、アクセサリーなど身の回りにある多くのものが含まれます。

一度に購入したわけではなく、何年かかけて家財類を購入しているので、家の中にある家財類の総額がわからないこともあるでしょう。

小さいものから電化製品まで入れると、かなりの額になることもあります。

家財保険の補償内容を見るときに、火事で家財類すべてが焼けてしまい新たに買い直すときにいくら必要になるのかによってプランを決定します。

エアコンや備え付けオーブンは保険会社によって対応が違い、バイクや車は家財保険ではカバーされませんので気をつけてください。

たとえば、隣の家から火が出てしまいベランダに干してあった布団や衣類が燃えてしまったときに、家財保険がカバーします。

隣家から火事がでているので火事を出した家の責任になり、出火元が補償をするように思われるかもしれませんが、『出火責任法』によって重大な過失がなければ、損害賠償の請求はできません。

この場合も加入している火災保険が役に立ち、布団や衣類の補償をします。

どの保険会社のどの保険に加入する場合でも、補償額は支払う保険料に比例します。

万が一を考えて、高い保険に加入すると補償は手厚くなりますが、その分支払う金額は高くなる上に、被害にあった家財の購入額を上回る補償の請求はできません。

家財保険がカバーする範囲は火事だけではなく、災害や水漏れなども対象になるので、雷や風災、雹災などの自然災害のような場合にも補償が受けられます。

火災保険ひとつですべての災害が補償されるように感じられますが、地震が原因の津波や火事などの損害は対象外です。

たとえ火事であっても地震によって生じてしまった火事の補償は、地震保険に加入をしてはじめて、補償されます。

日本はもともと地震大国であり、2011年の大震災以降地震保険が見直され、加入者が増えています。

地震保険は単体で加入するのではなく、火災保険の付帯保険として加入することが一般的です。

1-2. 借家人賠償責任保険

借家人賠償責任保険は、建物などに損傷を与えてしまったときに大家さんに対しての損害賠償に使える保険です。

不注意から出してしまった火事であっても、出火元が他の家の場合にも、燃えてしまった大家さんの建物に対して補償が受けられます。

先程、火事を出してしまった場合でも民法上で『出火責任』は問われないと紹介しました。

入居時にうっかり出してしまった火事の責任は同じように問われないのですが、賃貸契約には『原状回復義務』が明記されています。

ややこしくなってしまうのですが、出火の責任は問われませんが賃貸物件から退去するときに、借りたときと同じ状態に戻す義務があります。

そのため、出火の出どころがどこであっても、賃貸物件に住んでいる以上、原状回復をしなくてはなりません。

地震保険と同じように、借家人賠償責任保険単体での加入はできず、家財保険の特約として加入できます。

1-3. 個人賠償責任保険

借家人賠償責任保険に加入をすれば、個人賠償責任保険に入る必要がないと思われる人もいるかと思いますが、この2つの保険は損害賠償を支払う対象者が違います。

借家人賠償責任保険の対象者は家の持ち主である大家さんで、物件のオーナーに対して、損害賠償が発生したときに補償されます。

たとえばマンションに住んでいて、蛇口を締め忘れてしまい借りている部屋の床を修理する時には、借家人賠償責任保険で補償されます。

水漏れが階下の天井や壁にまで被害を出した時には、借家人賠償責任保険の範囲外になり、個人賠償責任保険が必要となってきます。

個人賠償責任保険は世帯主ひとりが加入すると、同居している家族全員が加入したことになりますので、入っておくと何かと心強い保険です。

補償内容が幅広い個人賠償責任保険ですが、他に加入している保険の付帯保険となっているような場合もありますので、重複加入することがないようにしましょう。

今まであまり深く考えずに加入していた火災保険の補償範囲の広さに、驚かれた人もいるでしょう。

それでも、保険会社によって補償内容の充実度に違いがあります。

最適な火災保険の選び方をお伝えしますので、ポイントを抑えて理想的な保険を見つけましょう。

2. 賃貸住宅用火災保険の選び方のポイント

賃貸住宅火災保険を選ぶ最大の目的は、自分に合った保険の契約をすることです。

補償内容と支払う保険料の2つを軸にしながら、最適な保険を見つけましょう。

ベストな保険を見つけるためには規約なども理解することが理想ですが、難しい文章で書かれていることもあり、拒否反応を感じてしまう人もいるでしょう。

賃貸住宅用火災保険を選ぶときに、確認したい3つのポイントを紹介しますので、この3点をきちんと確認することをおすすめします。

2-1. 家財の補償を適切にするもの

火災保険は火事や災害時に被害にあった家具や電化製品、衣類などに対して補償する保険です。

火事や災害の規模によって、被害の出方が違いますので、どの辺りまで補償の対象にするか

迷うところです。

火災保険の補償額は、家の中にある家財類全てが被害にあい、買い直さなくてはならなかった時を想定して金額を算出します。

10年使っている冷蔵庫の場合でも、同じような冷蔵庫を新しく買い直した時の金額で計算します。

もう古いからと言って『時価』で計算してしまうと、請求できる補償額が小さくなり、買い直した場合に保険の部分で補うことができません。

それなら補償額が高いプランに申し込みをしようと安易に決めてしまうと、高い補償額に見合った保険料が請求されます。

家財類の補償金額を想定する時には、実際の『新価』を考えることがベストです。

また、保険会社によっては新価ではなく、時価で補償額を計算していることもありますので、注意が必要です。

火災保険を選ぶ時に大切になるポイントが、自分の暮らしにあったプランを選ぶことです。

保険選びの鍵となる『簡易評価』を元にしながら、最適なプラン選択しましょう。

簡易評価は、保険会社の公式サイトなどで提示されています。

所有している家財の量によっても大きな違いが生まれますが、一般的に単身者の場合は300万円、2~3人家族のなら500~1500万円が家財保険で必要な補償額と言われています。

30万円以上する絵画や貴金属がある時には『明記物件』として事前に記載が必要ですので、高価な品物がある場合には要チェックです。

2-2. 借家人賠償責任保険が付帯していること

家財保険で所有している家具や衣類を補償することも大切ですが、住んでいる家が賃貸物件である以上、借家人賠償責任保険も同様に大切な保険です。

加入予定の家財保険に借家人賠償責任保険を付随できるのかは、保険を選ぶうえで重要なチェックポイントになります。

2-3. 補償内容に対して適切な保険料であること

適切な保険料であるかは、いくつかの保険会社のプランを比較することでわかります。

1社の保険だけで即決するのではなく、3社ほどの火災保険の補償内容と保険料を比べてみると、補償内容に見合った保険料であるかの目安がつくようになります。

適切な保険料を提案しているプランの保険に加入するためには、情報収集が鉄則です。

3. 火災保険を比較して少しでも保険料を抑える方法

賃貸契約時に管理会社が提供する火災保険が、全てではありません。

他の保険会社が提供するプランに加入しても、賃貸契約を結べることをまず知っておきましょう。

法外な保険料を支払う火災保険を勧められることはないかと思いますが、最適なプランであるのかどうかの確認は必須です。

家財道具の少ない単身者と荷物が多い家族が同じ保険料を払う必要はなく、補償内容も荷物の量などによって大きく変わってきます。

それぞれにとっての最適な補償で安いプランを見つけるためには、収集した情報の比較です。

10年契約で申し込みをした火災保険でも契約期間中に解約できますので、火災保険は比較的乗り換えが自由にできます。

余分に支払った分は返金されますので、最良の保険プランを見つけるために、保険の再検討をする価値はあります。

別の保険に乗り換えるときに注意したい大切なポイントが、ひとつあります。

旧保険の解約日と新しい保険の開始日が、きちんと重なっていることの確認です。

うっかり開始日が空いてしまい無保険期間を作らないように、慎重に日付を設定してください。

火災保険の補償内容や保険料が一括で比較できるサイトはいくつもあるのですが、賃貸物件用の火災保険になると、一括見積もりサイトがありません。

個別に資料請求をしたり、問い合わせをしていきます。

4.賃貸住宅用火災保険の比較サイト5選

賃貸住宅に特化した保険会社の補償内容と保険料の比較サイトはありませんが、いくつかの保険会社が自社プランの保険料や補償内容をわかりやすく提示しています。

4-1. 三井住友海上

老舗の保険会社三井住友海上は、『リビングFIT』という名称の賃貸物件用の火災保険を提案しています。

家財保険、借家人賠償責任保険も充実していることに加え、同居人の家財類も同じように補償されます。

示談交渉を三井住友海上が引き受けてくれるサービスもついています。

 

保険料 20,000円 25,000円 30,000円 35,000円
家財保険金額 410万円 680万円 820万円 990万円
借家賠償支払限度額 1,500万円 1,500万円 1,500万円 1,500万円
借用住宅修理費用支払限度額 300万円 300万円 300万円 300万円
個人賠償支払限度額 1億円 1億円 1億円 1億円

(三井住友海上公式サイト https://www.ms-ins.com/personal/kasai/living-fit/example.html

三井住友海上の公式サイトでは、世帯主の年齢と家族構成による『再調達額の目安』も掲載しています。

保険料が一番安い20,000円プランの家財保険金額は410万円になり、再調達額表と照らし合わせてみると、20代の夫婦だけで暮らす再調達額とほぼ同額です。

保険料が高い35,000円プランで受け取れる最高額990万円は、30代夫婦で子供がふたりいる家族の再調達額にあたります。

4-2. 日新火災

日新火災は、賃貸物件に特化した火災保険『お部屋を借りるときの保険』を販売しています。

1908年から保険事業を開業し、創業100年を目前にして東京海上日動火災とパートナーシップと結びます。

日新火災の公式サイトでは、他の保険会社のサイトにはないサービスを提供しています。

家財保険と借家人賠償責任保険に加えて、個人賠償責任がセットになっている心強い保険で、日常生活の中で突発的なできごとに対して補償されます。

うっかり物を壊してしまったり、思いがけず怪我をさせてしまったりしたときの保険です。

また、年齢と家族構成を入れるだけで、『お部屋を借りるときの保険』の保険料と補償内容がわかる計算サービスが活用できます。

他の保険会社のプランは出ませんが、十分参考になります。

20代の夫婦二人暮らしの場合には、家財類の簡易評価額は510万円になり、保険料や補償内容は以下のとおりです。

保険金額

年間保険料

600万円

9000円

500万円

8000円

400万円

7000円

300万円

6000円

自動で付帯される補償が4つあります。

借家人賠償責任

2000万円

修理費用

300万円

個人賠償責任

1億円

被害事故法律相談費用等

30万

4-3. ジェイアイ傷害火災保険株式会社

1989年に設立されたジェイアイ傷害火災保険株式会社は、国内や海外旅行の保険を主に取り扱い、オーナー向けの火災保険と賃貸物件用の『くらしの安心総合保険』も提供しています。

くらしの安心総合保険では、火災や落雷、風災に雪災時に被害を受けた家財類の補償に加え、引越中に起きた家財類の損害も保険の範囲です。

家財類の補償は新価で支払われますので、被害を受けたものを新たに買いなおせます。

大手の保険会社と比較すると保険料は安く設定されていますが、大家さんに対する借家人賠償責任保険と第3者への個人賠償責任もついています。

水回りのトラブルやうっかり鍵をなくしてしまった時、急に体調を崩したときの医療相談が24時間体制で受けられます。

地震保険にはプラスの料金で加入できるので、多くの人にとって必要な補償がそろっています。

公式サイトから補償開始希望日や保険期間などを入力すると、詳しい資料が請求できるページにつながります。

インターネットでおおよその保険料などは算出されませんが、ひとり暮らしの用の火災保険の場合には、6000円から加入できます。

4-4. ジャパン少額短期保険株式会社

ジャパンベストレスキューシステム株式会社の子会社として、平成19年に設立されました。

他の保険会社との差別化を図ることからも、少額で短期間の保険プランを提案しています。

通常の火災保険は最長が10年ですが、ジャパン少額短期保険株式会社の火災保険は最長2年です。

『新すまいRoom保険A』の基本的な補償内容は、「家財類の補償」「大家さんと第三者」への賠償責任が発生したときの補償」となっています。

家財類の補償は新価である再調達価格が基準になり、うっかり壊してしまった浴槽などの修理にも『新すまいRoom保険A』が補償します。

ルームシェアをしている場合には、同居している人の家財類も同様に補償され、火災後に一時的にホテル住まいをしなくてはならないときの費用保険金にも対応しています。

ジャパン少額短期保険株式会社の公式サイトには、『かんたん自動お見積り』サービスがありますので、おおよその保険料と補償プランがすぐにわかります。

インターネットから申し込みができるのも、『新すまいRoom保険A』の魅力と言えます。

年間保険料は7600円~16000円まで設定され、2年分を一括で支払うと割引が適応されます。

補償プランは7600円の場合には300万プラになり、保険料が16000円の場合には、1000万円プランになります。

4-5. 全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)

全労済は保険会社ではないため保険は提供していませんが、賃貸物件向けの火災補償を行う『住まいる共済』を提供しています。

延床面積が50㎥以下の場合には、年間の掛け金が2750円ですので、保険会社と比較すると安い掛け金で加入できます。

気になる補償内容ですが、家財保険、借家人賠償責任保険と個人賠償責任もセットになっています。

地震保険に加入したい時には、年間2750円をプラスすると地震による被害も補償されます。

(全労済公式サイト https://www.zenrosai.coop/kyousai/kasai/campaign/chintai/index.html?banner_id=kkc_pc_smc_170410

賃貸物件用に火災保険を検討するときには、比較サイトがないために、一括で複数の保険会社のプランや保険料は比べられません。

保険会社によっては、支払う保険料を公式サイトで提示していなこともありますので、プランの詳細は個別に問い合わせをする必要があります。

それでも保険会社の中には、公式サイトで保険料と補償内容を細かく明記しているケースもあります。

はっきり数値を公開している保険会社の情報はとても貴重です。

5.まとめ

住宅が火災にあう確率は1年間で4000軒に1軒と言われていますので、確率だけを見てみると、それほど高くは感じられないかもしれません。

総務省内にある消防庁の調査によると、火災原因で一番多いのが放火、次にタバコの消し忘れ、コンロからの出火と続きます。

タバコやコンロの消し忘れなどに気をつけていれば、火災にあう可能性はより低くなり火災保険の必要性が感じられない人もいるかもしれませんが、万が一火事が出たときの被害は予想を上回り、精神的に受けるダメージも小さくありません。

そんなときに金銭面の補償を火災保険によって受けられれば、大きな安心になります。

また、もらい火であっても賃貸物件が火事で燃えてしまうことがあれば、火事そのものの責任はありませんが、賃貸契約に明記されている『原状回復義務』によって、入居時と同じ状態に室内を戻す義務があります。

「どうして?」と思われる人もいるでしょうが、賃貸物件を借りる以上避けては通れない契約です。

この場合にも、火災保険で補償されている『借家人賠償責任保険』が大家さんの持ち物である物件の補償をします。

火事を出してしまった人に対しては、民法上の理由から出火責任は問えないことになっていますので、被害を受けた家財類も加入している火災保険で買いなおせます。

また、火災保険に加入すると地震保険に申し込みができます。

ほとんどのケースで地震保険単体のプランはなく、火災保険に付随する形ですので、地震保険に加入したい人は、その前段階として火災保険入っておきましょう。

車を持っている人は自動車保険、病気になった時を考えて医療保険といくつもの支払いを考えると、家計の中で保険の占める割合が高くなってしまいます。

高い保険だけが、補償が充実していることはありませんので、家計の範囲内で支払える保険料の火災保険を見つけましょう。

安い保険料で納得のいく補償を提供している保険会社もあります。

賃貸物件に関しては、一括で見積もりを見られるサイトはありませんが、上手に保険会社のプランを比較して、安さと安心の両方がセットになった火災保険を見つけていいましょう。