火災保険は、賃貸契約を交わすときに、ほとんどのケースで加入します。
中には「火災保険に加入した覚えがない」と言う人もいるかもしれませんが、管理会社を通していれば、無保険の状態で賃貸契約をすることはありません。
入居するときに火災保険に加入することは、物件の所有者である大家さんの財産だけではなく、借り手の家財類や財産を同時に守ります。
出費が重なる引越し時は、余計なお金を使いたくないと思う人も多いでしょうが、いざというときのために保険は必要です。
さまざまなサポートが受けられ、損害賠償が発生したときに自費で支払う必要がなく保険で補償してもらえますので、天と地ほどの差が生まれます。
いくつもの保険会社がそれぞれの火災保険を提案しています。
補償内容が充実していて、なおかつリーズナブルな保険料の火災保険を見つけましょう。
また、ひとりの人に最適な火災保険が別の人にとっても理想的な保険とは限りません。
数社の火災保険を比較することが、納得のいく保険を見つける近道です。
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このページでわかること
1. 賃貸に火災保険、安く済ませるには?
保険料が安くて、補償内容が充実している良質な保険を見つけるベストな方法は、保険プランの比較です。
加入期間と支払い方法を工夫すると、保険料の割引が受けられます。
賃貸物件の契約時には、火災保険の加入が必須です。
入居者の火災保険への加入は義務ではありませんが、無保険の状態でこころよく賃貸契約を結ぶ大家さんや管理会社は、ほぼいないでしょう。
引越しには、時間や体力を使うばかりではなく、まとまったお金の支払が続くために、少しでも出費を抑えたいと思うのは自然なことです。
火災保険の加入が必須なら、保険料の安さだけを重視して加入してしまいがちですが、必要な補償が受けられないことに後から気が付き、後悔する結果を招いてしまいます。
もちろん、高いだけの保険も論外ですが、保険料の安さだけで、火災保険を決めることはおすすめできません。
安くて内容が充実した賃貸向き火災保険に加入するポイントは、数社のプランを比較することです。
1社だけの保険プランを参考にするのではなく、数社の保険料と補償内容を比較して十分な補償が受けられるプランの中から格安な保険を見つけましょう。
最適な保険プランを見つけたら、より保険料を安くするために、保険期間と保険料払込方法を検討します。
以前は36年もの契約ができた火災保険ですが、現在は1~10年のプランで設定されています。
同じ保険に継続して加入予定ならば保険期間を長めに設定すると、1年で契約するよりも安い保険料で加入できます。
支払い方法を月々払い、1年払い、一括払いから選べる時には、一括で支払いをすると保険料が割引されるケースもあります。
お得な火災保険を見つけたら、加入期間と支払い方法を賢く選択すると、より安い保険料で充実した補償が受けられるでしょう。
1-1. 勧められた保険に何となく加入していない?
賃貸物件を契約するときに、火災保険に加入していることに気がつかないで契約を進めてしまう方もいます。
たとえ保険に加入することがわかっても、提示された保険とは別のプランに契約できることを知らない人が大半ではないでしょうか?
火災保険の加入は義務ではありませんが、大家さんが賃貸条件に加えているケースもありますし、事実上、保険の加入なしに賃貸契約を交わすことは難しいと言えます。
大家さんや管理会社が強制はできませんが、賃貸契約をする以上いずれ部屋を退去する時がきます。
このときに入居者には『原状回復義務』が発生するのです。
たとえ、もらい火で焼けてしまった壁であっても、入居時と同じ状態に戻さなくてはなりません。
「火事を出してしまった人に補償してもらえばいい」と思う人が多いかと思いますが、重大な過失でない限り、民法で『出火責任』は問わないと決められています。
火事を出した人の責任が問われないのなら、入居者はそれこそ賠償責任はないのでは?と思うでしょう。
確かに火事に対する賠償責任はないのですが、賃貸契約上にある『原状回復義務』によって、もらい火で焼けてしまった壁を元も戻す義務が生じます。
納得いかない人もいるかと思いますが、このようなケースで頼りになるのが火災保険です。
火災保険は入居者の家財道具や衣類などの小物に対しても補償されるので、いざというときに頼りになる心強い味方となるのです。
予期せぬ被害や災害時に手厚いサポートを受けるためにも、考えなしに火災保険に加入するのではなく、賢く保険選びをしてピッタリの保険を見つけることをおすすめします。
1-2. 実は保険は自分で選べる!
管理会社が提案する火災保険とは別のプランに加入もできますし、途中で契約を解約して別の保険に乗り換えることも可能です。
勧められる火災保険に加入する必要はなく、入居者が自分で最適なプランを選べます。
途中から別の保険に加入する場合には、大家さんや管理会社にひと言相談しておくと、後からややこしいことになりません。
途中解約をする場合には契約金が戻ってくるケースもありますし、解約金がかかるためにそのまま契約を続けたほうがお得になる場合もありますので、きちんと確認しましょう。
勧められる保険に加入するケースと自分で保険を見つける場合のメリットを紹介します。
引越しは、物件探しから始まり、引越し業者との契約、荷造りや荷解き、その他さまざまな手続きがありますね。
管理会社が紹介する火災保険に加入する場合には、保険会社を探したり、比較したりする手間が省けますし、情報収集や比較に使う体力を節約できることは、忙しい引越し時期には大きなメリットです。
管理会社が紹介する火災保険ならすでに契約内容などに精通していることから、火事や災害が起こった時にスムーズな対応が期待できます。
自分で火災保険を選ぶ最大のメリットは、自分にピッタリの保険に加入できることです。
補償内容や保険料を比較して、最良の保険プランに加入できますし、自分で内容を吟味しているので、いざというときに慌てずにすみます。
引越し時に火災保険を探すゆとりがない場合には、ひとまず勧められる保険に加入して、落ち着いてから、じっくりと火災保険の見直しもできます。
管理会社の保険に加入する場合でも、支払う保険料と補償内容の確認をしてから契約に移りましょう。
大切なことが小さく明記されていたり、資料の下の方に注意書きとして書かれているケースもあります。
わかりにいくい内容があれば、そのままにしないで、教えてもらうことも肝心です。
2. 賃貸の火災保険はコレを保証!
賃貸物件で火災保険を決定するときの大切なポイントは、大家さんや近所に対する借家人賠償責任と契約者が所有している家財への補償です。
大家さんは自分の財産である建物への保険は加入していますが、入居者が所有している家具や家電、洋服やアクセサリーなどに対する補償は含まれません。
もらい火で柱や畳が燃えてしまったときはもちろん、うっかりコンロの火を消し忘れて壁を焦がしてしまったときに火災保険が役立ちます。
ストーブを倒してしまい床が燃えてしまったときや、洗濯機のホースが抜けていてフローリングを傷めてしまった場合でも、火災保険がカバーします。
家財の補償では、火事だけではなく落雷や雹などによる自然災害から、持ち物に被害が出たときにも補償の対象です。
たとえば、雷が落ちてパソコンがショートしてしまった時には、頭が真っ白になってしまいますが、パソコンの修理や買い替えの費用に保険がききます。
プランによっては、大切にしていたアクセサリーや現金が空き巣に盗まれた場合にも、保険の範囲です。
名称は火災保険ですが多くのケースに対応していますし、保険会社の中には自由にカスタマイズできることもありますので、必要な補償がしっかり受けられるプランを探しましょう。
ほとんどの火災保険は、地震保険が特約で付帯できるようになっています。
地震保険を単体で提供している保険会社はほぼありませんので、地震が多い地域に暮らしている人は、プラスの地震保険を検討してみましょう。
火災保険では、地震や噴火が原因の火災で燃えてしまった家具や家電は補償されません。
残念ながら、すべての火災保険が地震保険に加入できるわけではありません。
地震に対する補償も希望する場合には、地震保険が付帯できる火災保険に申し込みをします。
その他にも生活スタイルによっては重要視したいポイントがあるでしょう。
シェアハウスを前提にしている場合には、同居人の家財も補償されるプランなら安心できますし、交渉事が苦手な人は大家さんとの示談交渉を請け負ってくれるサービスがあればストレスが軽減されます。
3. 大手保険会社の火災保険を比較!
どこの保険会社で火災保険に加入をしても、大差はないと思っている人もいるでしょう。
火災保険の補償内容や保険料は、各保険会社によって大きく異なったものとなります。
補償内容がほとんど変わらないのに支払う保険料が大きく違ったり、充実している補償内容を提供する保険会社が安い保険料のプランを紹介したりしていることもあります。
保険料が高くても企業のネームバリューがあり、様々な補償内容を提示している火災保険が、万が一のことを考えたときに安心できると思う人が大半かもしれませんが、ある人にピッタリの保険が別の人にも最良の保険であるとは限りません。
大手保険会社の特徴や補償内容などを紹介しますので、必要な補償が十分に受けられるプランを見つけください。
まずは『メガ損保』と呼ばれる東京海上日動、三井住友海上、損保ジャパン日本興亜の3社から紹介します。
保険料に関しは賃貸物件用の料金が、提示してあるプランのみ紹介します。
3-1. 東京海上日動
東京海上日動は三菱グループに所属している保険会社で、名実とともに保険業界NO.1の保険会社で、海外にも広く事業を拡張しています。
他の会社と比較すると保険料は高くなりますが、信頼性とネームバリューから東京海上日動の保険に加入する人が多くいます。
東京海上日動の『トータルアシスト住まいの保険』は、手厚いサポートが基本姿勢にあり、24時間メディカルアシストが自動付帯ですので、困ったり不安になったときに頼れるサービスが特徴です。
水回りのトラブルや鍵を紛失した時といった、火災以外のトラブルに関するサポートも有料オプションでつけられます。
個別にいくつかの保険に加入するとプラン内容が重複したり、加入漏れに気がつかないことがあります。
バラバラの保険をひとつにまとめることのできる、損保と生保が一帯型になった『トータルアシスト超保険』は東京海上日動の人気プランで190万世帯が加入しています。
3-2. 三井住友海上
三井住友海上も東京海上日動と同様に創業から100年以上たつ、老舗の保険会社です。
2010年に、あいおいニッセイ損保と経営統合を実現しました。
プラン内でのカスタマイズ性が高いので、保険料を安く抑えたい人から充実した補償内容を希望する人までさまざまな希望に合うプランづくりが可能です。
歴史のある保険会社だけあって、総合力の高さに定評があります。
付帯サービスに大家さんに対して賠償責任が発生したときに三井住友海上が示談交渉を進めてくれるサービスがあります。
三井住友海上では、賃貸物件に特化している火災保険『リビングFIT』があり、家族以外の同居人の家財類も補償されます。
リビングFITに2年契約で加入をして、一括払いをする場合の保険料と補償内容を紹介します。
保険料
20,000円
25,000円
30,000円
35,000円
家財保険金額
410万円
680万円
820万円
990万円
借家賠償支払限度額
1,500万円
借用住宅修理費用支払限度額
300万円
個人賠償支払限度額
1億円
(三井住友海上公式サイト https://www.ms-ins.com/personal/kasai/living-fit/example.html)
3-3. 損保ジャパン日本興亜
2010年に日本興亜損保と統合し、火災保険『THE 家財の保険』を提案しています。
基本プランが複数あること自由度が高いことに加え、スタッフのプロ意識などから、他社との差別化を図っています。
また大きな特徴として、排水管工事、トイレのトラブル、鍵の紛失などが自動付帯に入っています。
空き巣による盗難、子供が壊してしまった電化製品の補償も可能です。
3-4. あいおいニッセイ同和損保
三井住友海上とともにMS&ADインシュアランス のメンバーである、あいおいニッセイ同和損保が提供している『タフ・住まいの保険』には、エコノミー、ベイシック、ワイドの3種類のプランが基本プランです。
どのプランで契約をしても、災害時にかかった諸費用の一部、仮住まいにかかった金額、地震による火災の費用の一部が共通の基本補償に含まれます。
補償を受け取るためには条件がありますが、地震や噴火、津波による火災も補償の対象です。
多くの火災保険は地震が原因の火事は保証の対象外なので、地震が発生した時の被害にも対応するのは、タフ・住まいの保険はならではのサポートと言えます。
3-5. AIG保険
AIG保険は、2018年1月に旧AIU損害保険株式会社と旧富士火災海上保険株式会社が、パートナーシップを結び、以来AIG損害保険株式会社として営業をしています。
旧富士火災は、日本で火災保険会社を始めてから100年になる老舗の企業です。
『リビングパートナー保険』では、家財保険と大家さんへの賠償がセットになり、火災などの被害にあった家財類は新価で補償されます。
大家さんへの示談交渉もしてもらえるので、交渉が苦手なに人にとっては特に嬉しサービスです。
ルームシェアなどをしている同居人への補償も保険でカバーできます。
津波や地震により被害は火災保険ではカバーされないために、リビングパートナー保険では地震保険の原則加入が基本です。
3-6. 楽天損保(旧朝日火災)
朝日火災は1951年に野村證券や旧大和銀行、旧第一銀行などから支援を受けて保険会社として設立されました。
2018年3月に楽天株式会社のグループに加わり、知名度がより高まったことから加入者が増加しています。
楽天損保が提供する『リビングアシスト』は、賃貸物件専用の火災保険です。
大家さんへの損害賠償と家財類の補償がセットになっています。
示談交渉サービスが付いていますが、大家さんだけではなく国内で発生した賠償事故も同様に交渉します。
火災や落雷などの自然災害で発生した家財類の補償の他に、空き巣による盗取、窓ガラスなどの破損も保険内でカバーされます。
被災後の片付けや緊急時の仮住まい費用などは、別途保険料がかかります。
3-7. 日新火災
日新火災には、その名の通り賃貸物件に特化した『お部屋を借りるときの保険』があります。
1908年に開業した日新火災は、2003年に現東京海上日動火災保険と業務提携を結んでいます。
お部屋を借りるときの保険は、リーズナブルな保険料にさまざまなサービスがついています。
火災保険によっては住んでいる地域や建物の構造によって支払う保険料が変わってきますが、日新火災のお部屋を借りるときの保険はどこに引越しをしても保険料は変わりません。
そのため、引越しが多い家族でも長期的に利用できる保険と言えます。
大家さんに対する借家人賠償責任と物を壊してしまった時の修理費用に加えて、個人賠償責任がセットになっています。
他人の物を壊したり、怪我をさせてしまったときに補償されます。
鍵の紛失等など緊急事態にも、24時間体制のサポートや日常生活の中で起こったトラブルに対しての弁護士相談補償もついています。
日新火災の公式サイトでは、年齢と家族構成を入力するだけで簡易評価額と支払う保険料をすぐに算出してくれるので、見積もりを依頼しなくても大まかな数字がわかります。
たとえば世帯主の年齢が35歳前後で夫婦と子供ひとりの3人家族の場合で、保険料と補償内容を見てみましょう。
このときに、日新火災が算出する簡易評価額は、1060万円です。
保険金額
年間保険料
1200万円
15000円
1100万円
14000円
1000万円
13000円
900万円
12000円
追加の保険料なしで、お部屋を借りる時の保険で補償される支払限度額の一覧は以下の表のとおりです。
借家人賠償責任
2000万円
修理費用
300万円
個人賠償責任
1億円
被害事故法律相談費用等
30万4000円
3-8. ジャパン少額短期保険株式会社
ジャパン少額短期保険株式会社は、平成19年に登録されたばかりの新しい会社です。
リーズナブルな保険料と2年以内の短い期間の保険を賃貸物件用に提供しています。
火災だけではなく、雹災、風災、水害にも対応し、家財類だけではなく現金の盗難もサポートしています。
壊れてしまった浴槽、便器の補修、ガラスの破損も保険の補償内です。
賠償責任は、大家さんと第3者にも補償します。
ジャパン少額短期保険株式会社の公式サイトにも、年齢と家族構成を入力するとおすすめの保険プランを提示してくれる『簡単自動お見積り』があります。
このサービスを利用して、年齢35歳で夫婦と子供ひとりの場合には、補償が700万円のプランがおすすめです。
年払いの保険料が12,400円、2年分を一括で支払うと21,000円です。
4. おすすめ! 安くて安心な賃貸用火災保険
どこに大切なポイントをおくかによって変わってきますが、当サイトでは日新火災の『お部屋を借りるときの保険』をおすすめします。
リーズナブルな保険料でしっかりした補償内容を提示しているプランです。
インターネットから契約ができることから経費が抑えられ、その分保険料が他社と比較すると安くなりますが、補償内容は充実しています。
借家人賠償責任保険、修理費用、個人賠償責任、家財の損害、被害事故法律相談費用等がプラン内に含まれます。
暮らしている地域や面積、建物の構造などが違っても保険料は一定です。
そのため、何度引越しをしてもそのまま保険を使い続けられるので、二重に保険に入ることや無保険期間を心配もありません。
インターネット上から簡単に住所変更もできますので、忙しい引越しのときでもすぐに完結できます。
公式サイトから見積もりがすぐに算出されるので、おおよその保険料が支度にいながらにしてわかることも魅力と言えるのではないでしょうか。
5. まとめ
賃貸契約時に何気なく加入してしまう火災保険ですが、火災保険にはさまざまなプランがあり、支払う保険料に大きな違いがあります。
必要のない補償が付いているために、余計な保険料を支払うケースもあるでしょうし、高い保険に契約したものの、本当に必要としている補償が含まれていない場合もあります。
必要な補償を必要なときに受けるための火災保険です。
受けられると思っていた補償がいざとなったら、補償外であったことにならないように、賢く保険を選びましょう。
補償内容が充実している保険がすべて高額な保険料が必要とは限りません。
保険料は安いけれど充実した補償内容を提供している火災保険もあります。
公式サイト上で保険料と補償内容を提示している保険会社もありますが、多くの場合資料は郵送で発送されたり、代理店などに行って詳しい内容を教えてもらえたりするケースもあります。
それでも、数社から見積もりを出してもらい比較検討することが、安くて頼りがいのある保険を見つける確実な方法です。
老舗の保険会社が次々と経営統合し、より大きなグループを築き上げる傾向にあります。
ネームバリューのある大企業は大企業の良さがあり、小さな会社ながらも行き届いた補償を提供しているところもあります。
いざというときに、家族の暮らしをしっかりサポートしてくれるのが火災保険です。
企業の規模だけで判断するのではなく、内容と費用をじっくり検討して最良の保険を見つけましょう。





