マンションの「機械式」駐車場とは?6つのメリットと5つのデメリット

都心部などのマンションでは、よく見かけるようになった「機械式」駐車場。

これはマンション物件などで、駐車場スペースが十分にない場合に採用されている駐車場です。

車を所有している人で、「機械式」駐車場を利用したことがない人は、なんとなくのイメージしかないかもしれません。

好みのマンション物件がこの「機械式」駐車場であった場合、使ってみるとどうなのか、気になる部分だと思います。

今回は、そんなマンション物件の「機械式」駐車場に関して詳しく解説していきます。

マンション物件を選ぶ際の検討材料の一つとして、参考にしてみて下さいね。

 

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1. マンション駐車場の「機械式」って何?自走式との違いは?

マンションに住むにあたって、様々な設備がありますが、駐車場もその1つです。

車を所有し、毎日使っている人であれば、駐車場選びも含めて慎重にマンション物件を検討したいですよね。

選ぶ駐車場のタイプによっては、日々の時間や手間が大きく変わってくることと思います。

マンション物件を契約する前に、それぞれの駐車場の特徴を知り、検討することが大切です。

数あるマンション物件の駐車場のなかでも混同しやすいのが、「機械式」駐車場と「自走式」駐車場です。

「機械式」駐車場は、機械を使って車を移動させ、駐車を行います。

その一方で「自走式」駐車場は、スロープなどを使って自走する駐車場を指します。

この機械を使った「機械式」駐車場は、昭和37年にタワーパーキングが設置されたことがはじまりであり、昭和50年ごろから普及されるようになりました。

国土が限られている日本にとって、合理的な駐車方法として、現在では都心部の集合住宅では多く採用されているタイプの駐車場です。

「機械式」駐車場の中でも、さらにいくつかの種類に分かれます。

「二段方式」や「垂直循環方式」「多段方式」などと呼ばれる種類があり、公益社団法人の立体駐車場工業会の分類によると、8種類もの「機械式」駐車場の種類があります。

他にも大規模な「エレベーター方式」などもあり、同じ様に「機械式」駐車場に分類されます。

2. マンションの機械式駐車場の仕組みとは?使い勝手が難しいって本当?

機械式駐車場は、機械を使って車を上げ下げし、駐車することはご理解いただけたかと思います。

では、その仕組みはどうなっているのでしょうか?

マンションなどの集合住宅で主流となっている「機械式」駐車場。

その中で多数を占めている「二段方式」駐車場や「多段方式」駐車場は、車を上げ下げしますが、加えて下の車が地下に収まる形になっています。

そのため、上の車が下の車の有無に関係なく、車の出し入れをスムーズに行えるようになっています。

三段の「多段方式」駐車は、地下を2台分収まるような仕様になっています。

シンプルな構造で操作も簡単なことから、都心のマンション物件を中心に採用されている駐車場のタイプです。

「二段方式」や「多段方式」が「機械式」駐車場の中でも多く採用されていて、全体の半数以上にものぼります。

この「二段方式」や「多段方式」の種類から、さらに「昇降式」や「昇降横行式」の種類に分かれます。

「昇降式」の方は、パレットに車を乗せ上下移動させ、車を入出庫する方法になります。

「昇降横行式」の方は上下だけでなく、左右の方向にもパレットが動く仕組みになっていて、「パズル式」とも呼ばれているタイプです。

さらにパレットが前後に動く「縦列式」も登場し、「機械式」駐車場は多様な仕様になってきています。

「垂直循環方式」駐車場は、マンション物件では1階部分に出入り口があることが多く、車をパレットで垂直に循環させる仕組みになっています。

単縦な動きだからこそ、稼働の安定性に信頼があり、多くの場所で採用されている駐車方式です。

乗り入れる場所により、「下部乗入式」や「中間乗入式」「上部乗入式」などの3つの形式に分かれています。

このように「機械式」駐車場には、多くの種類があるので、実際に目で稼働を確認し、判断するのが一番です。

便利さはもちろんですが、安全性や耐久性なども含めて、生活にあった「機械式」駐車場を選びたいですね。

3. マンションの機械式駐車場に停められる車のサイズ(高さ・幅)

駐車場であれば、一般家庭で乗る車は駐車できると思っていませんか。

しかし各駐車場には、多かれ少なかれ車両制限が設けられています。

この車両制限は安全な状態で車を預けられるように、それぞれの駐車場に定められています。

この制限は保障でもあるので、どの駐車場を利用するにしても、確認しておくことが必要です。

車両制限を無視して車を駐車してしまうと、車を傷つけてしまうなどの思わぬ事故に発展してしまう可能性があります。

特に「機械式」駐車場はパレットにのせ、機械操作をすることなどから、この車両制限が厳しく設定されています。

パレットからはみ出してしまうと、安全装置が備わっていて駐車できないような仕組みにもなっています。

「機械式」駐車場は狭いスペースであっても、効率よく駐車することが可能な設備ですが、すべての車が駐車可能なわけではありません。

各メーカーによって細かな違いはありますが、一般的な「機械式」駐車場は、普通自動車や軽自動車向けに作られていて、他の大型車両や特殊な車両に関しては制限されているのが一般的です。

さらにハイルーフの車両に関しても、「機械式」駐車場では駐車できないケースが多いので注意が必要です。

では、この車両制限をさらに詳しく確認してみましょう。

車の車両制限には、車両の長さとなる「全長」、車両の高さである「全高」、車両の幅である「全幅」が基本となって、車サイズが各駐車場によって定められています。

その他にも、車の重さ「重量」や両タイヤの外幅をはかった「タイヤ外幅」、地面から車体の一番近い場所である垂直距離の「最低地上高」があるので、それぞれ注意が必要となるでしょう。

車が安全に「機械式」駐車場を利用できるように、このような制限が決まっているので、車のサイズが分からないようであれば、車のメーカーに事前に確認しておくのが良いでしょう。

4. マンションの機械式駐車場の駐車料金はいくら?

マンション物件の駐車場料金に関して共通して言えることは、「機械式」や「自走式」「平置き」のどれについても、都心に行くほど駐車料金が高くなることです。

各駐車場を比較してみると、「平置き」駐車場に関しては、メンテナンスなどの維持費用がかからないので、よほど好立地でない限りは、3種類ある駐車場の中で一番安いということが言えるでしょう。

その一方で、「自走式」駐車場も建設費用にコストはかかりますが、「機械式」駐車場のように頻繁なメンテナンスを必要とせず、寿命も長いので、月額の駐車料金がそこまで跳ね上がるようなことはありません。

また「機械式」駐車場のメンテナンス費用などは、マンションの管理費に含まれることも多いので、駐車場料金が他と大きく開くようなことはないでしょう。

しかしながら、「機械式」駐車場に関しては定期的にメンテナンスをしなければいけませんし、機械にかかる費用があります。

そのため、場所や機械の内容によっては駐車料金が高いケースもあります。

駐車料金相場は、東京23区内を例にしてみると、千代田区や港区が高く、5万円にも及びます。

大田区などは都内でも駐車料金の相場は安いのですが、それでも3万円程度はかかってしまいます。

しかしながら、別で駐車場を借りるのには手間がかかってしまい、かえって割高になるようなケースもあります。

「機械式」駐車場は多くの車を駐車できる点から、マンション住民の多くが車を駐車できるメリットがあります。

最近では、都市部では車を持たない人も増えているので、駐車場が満車にならず、その分1台あたりの駐車料金が割高になっているケースもあります。

いずれにしても、駐車料金の部分だけで判断しない様にしましょう。

5. マンションの機械式駐車場の6つのメリット

ここでは、「機械式」駐車場のメリットについてお話しします。

「平置き」駐車場と比較すると、不便なイメージの「機械式」駐車場ですが、意外にも多くのメリットがあるので、この機会にぜひ確認してみて下さいね。

5-1. 機械で操作するため、セキュリティ面が強い

誰でも簡単に出入りができる「平置き」駐車場と比較すると、機械操作が必要になる「機械式」駐車場は侵入しにくく、盗難やいたずらなどをしにくい側面があります。

特に、上段になるほど防犯やいたずらを防ぎやすい傾向にあります。

5-2. 車同士の接触を防ぎやすい

車を出すのが機械による操作なので、隣の車と接触しにくく、当て逃げなどを防ぐことができます。

車が機械式のパレットにきちんと収まっていれば、機械操作の際に車同士が擦れる、などということもほぼありません。

5-3. 知らない車の迷惑駐車や不法駐車などを防止しやすい

「平置き」駐車場は、簡単に駐車場内に入ることができるので、迷惑駐車や不法駐車などのトラブルがよくあります。

その一方で「機械式」駐車場は、「平置き」駐車場のうように簡単に敷地内に入り駐車することができないため、契約車以外の人に迷惑駐車や不法駐車をされる心配がほとんどありません。

5-4. 駐車料金が安いケースがある

都心などの好立地なエリアでは、平置き駐車場での契約よりも駐車料金が安いことがあります。

これは駐車できるスペースが限られているのに関わらず、駐車場を利用したいニーズが高まった際に起こりうることです。

駐車場のニーズが高い場所では、「機械式」駐車場も選択肢にいれている人も多いでしょう。

5-5. 車の汚れが防ぎやすい

マンション物件によっては、持ち家の様に車を洗車しにくいことがあり得ます。

そのことを考えると、車が汚れにくいのは非常に助かりますね。

「機械式」駐車場が屋内にあったり、屋根つきであったりすると、天候による汚れの影響が少なくなり、車を綺麗に保ちやすくなります。

5-6. 駐車場の契約がしやすい

「平置き」駐車場は駐車スペースが限られているため、マンション物件によっては満車の可能性もあります。

その場合、駐車場の空きが出るまで待たなければいけません。

大家さんによっては駐車場の空車状態を防ぐために、駐車場を全ての入居者様に確保していないことも多いのです。

そのため、抽選や先着順で駐車場の利用者を決めることはもちろんのこと、中には家賃の高い部屋順に駐車場を割り振られるケースなどもあるようです。

これらのケースを考えると、駐車場の契約がしやすいことは大きなメリットです。

「機械式」駐車場は「平置き」駐車場と比較して、駐車台数が多いわけですから、その分駐車場の契約がしやすいことも魅力の一つだと言えるでしょう。

6. マンションの機械式駐車場の5つのデメリットとは?

ここでは、「機械式」駐車場のデメリットについてお話しします。

自分の生活に大きな支障をきたさなければ、「機械式」駐車場の選択肢があってもいいかも知れませんね。

6-1. 車の出し入れがしにくい

機械操作で車の出し入れを行うので、時間がかかってしまい、出し入れがしにくくなります。

悪天候の場合には、外での暑さや寒さなどがありますので、特に辛く感じることも多いでしょう。

6-2. 故障や停電時には出し入れができない

機械で操作をおこなうため、急な故障や停電であっても、機械を稼働させることができません。

安全性のためにやむお得ないことですが、車を使いたい時に車を使えず、不自由を感じてしまう恐れもあるでしょう。

6-3. 利用できる車に制限がある

「機械式」駐車場には、それぞれの停車スペースに限りがあるため、細かな重量やサイズの制限があります。

車両のサイズが守られていないと、事故につながってしまう恐れもあります。

そのため、特に「機械式」駐車場には厳しい制限がかけられています。

一般車であっても、車の種類によっては駐車することができません。

6-4. メンテナンスの影響を受けることがある

「機械式」駐車場を安全に稼働させるためには、年に何回かのメンテナンスは欠かせません。

実際、日本の法律でも「機械式」駐車場のメンテナンスが定められていて、定期的にメンテナンスが行われています。

この場合事前に告知がありますが、メンテナンスをするために車を移動させる必要があったり、反対に車を動かせなかったり、などということが発生するので、人によっては不便を感じてしまうことでしょう。

6-5. 駐車場所で掃除や洗車などができない

「機械式」駐車は複雑な機械構造とパレットで動作が行われているため、駐車場内では掃除や洗車をすることができません。

掃除や洗車をこまめにしたい人にとって、不向きな駐車場になってしまいます。

7. まとめ

今回は、マンション物件の「機械式」駐車場についてお伝えしました。

「機械式」駐車場と一言で言っても仕様が異なり、様々な種類のものがあります。

自家用車がある人にとって、駐車場は欠かせないものなので、検討は避けられませんね。

実際に「機械式」駐車場の仕様や駐車位置などを確かめ、メリット・デメリットを確認することで、検討することができるでしょう。

特に都心部では多くのマンション物件がこの「機械式」駐車場を採用しているので、ご自分のカーライフに合っているのか、しっかりと確認するようにしましょう。