「一人暮らししたいけど、お金がない!」
「家賃4万円くらいなら一人暮らしもできる?」
「でもいったいどのくらいの月収が必要なんだろう」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
家賃4万円のマンションに住むには、月収手取りでいくらが必要なのか、わかるようでわからないですよね。
そこで、今回は、家賃4万円のマンションに住む場合に月収がどれくらいあればいいのかを検討!
よくいわれる「家賃は月収の30%程度が目安」という説に従うと、十分な貯金ができないおそれもあることから、「月収の30%」に代わる適切な月収目安もご提案します。
このページでわかること
1. 家賃4万の賃貸マンションは収入(手取り)の1/3で大丈夫?
家賃4万円のマンションに住む場合、収入はいくらに設定すればいいのでしょうか。
一般的にいわれるのは、「家賃は収入(手取り)の1/3が目安」ということです。約30%ですね。
でも、本当にそれで正しいのでしょうか。
以下では、家賃以外の生活費も考慮しながら、家賃4万円に住む場合の必要月収についてシミュレーションしてみて、この「月収30%」説を検証してみましょう。
1-1. 家賃4万円に住むなら、月収(手取り)12万円が目安?
「家賃は月収の30%程度」という説にしたがって、単純に計算すれば、家賃4万円の賃貸マンションに住むのであれば、月収(手取り)12万円が必要ということになります。
12万円(手取り月収)の30%が4万円(家賃)となるからですね。
一年で考えると、家賃は年間で48万円、年収は144万円必要ということになります。
表にすると以下のようになります。
| 家賃 | 必要月収(手取り) | 必要年収(手取り) |
| 4万円 | 12万円 | 144万円 |
ただ、生活にかかるのは家賃だけではありません。
家賃のほかに、水道光熱費、食費、衣服費、通信費といった生活費がかかることになります。
家賃4万円のマンションに月収(手取り)12万円で住む場合、残った8万円から、この生活費をまかなうことになります。
生活費が月8万円でほんとうに大丈夫なのでしょうか。
1-2. 生活費節約で8万円以内にする必要あり
ここでは、一人暮らし世帯の生活費を考えてみましょう。
総務省統計局が集計している「家計調査」(2018年度)によると、一人暮らし世帯の平均的な生活費は以下となります。
| 項目 | 金額 |
| 水道光熱費 | 11,847円 |
| 通信費 | 6,911円 |
| 交通費 | 4,697円 |
| 食費(外食含む) | 40,026円 |
| 交際費 | 14,857円 |
| 衣服代 | 5,312円 |
| 教養・娯楽費 | 18,865円 |
| 自動車関係費 | 9,930円 |
| 医療費・医薬品費 | 7,175円 |
| 合計 | 119,620円 |
(総務省統計局「家計調査(2018年)」「第4表 世帯人員・世帯主の年齢階級別 1世帯当たり1か月間の収入と支出(総世帯)」より作成)
一人暮らし世帯の平均的な生活費は、なんと11万9,620円になります。
さきほどの8万円では、一人暮らしの平均的な生活費を下回ってしまい、赤字になってしまうのですね。
| 家賃 | 平均生活費 | 家賃+平均生活費 | 月収(手取り) | 収支 |
| 4万円 | 119,620円 | 159,620円 | 120,000円 | -39,620円 |
つまり、家賃4万円のマンションに月収(手取り)12万円で住む場合、生活費を節約してやりくりして月8万円以内におさえる必要があるのです。
1-3. 食費や交際費を減らせば、手取り12万+家賃4万も可能
「平均的な生活費が多すぎるんじゃないか?」
「じっさいにはもっと、生活費を抑えることができるんじゃないか?」
「自分だったら、こんなに生活費はかからない」
そう思う方も多いと思います。
たしかに、食費は自炊をすれば低く抑えられますし、交際費だって、インターネットの通話サービスや格安居酒屋を利用すればそんなにかかりません。
教養娯楽費は「ネトフリ」「アマプラ」「スポティファイ」といった定額サブスクサービスを利用できれば十分でしょう。無料で使える動画サービス「Youtube」だってあります。新聞はもちろん取りません。
若いから病気にだって滅多にかかりませんし、自動車も持っていませんから、医療費や自動車関係費だって必要ない。
そうすれば、生活費月8万円はカンタン! そう思うかもしれません。
そこで、食費を2万5000円、交際費を1万円、教養娯楽費を1万円、自動車費や医療費をゼロにする、“節約シミュレーション”を実施してみましょう。
| 節約シミュレーション | |
| 水道光熱費 | 11,847円 |
| 通信費 | 6,911円 |
| 交通費 | 4,697円 |
| 食費(外食含む) | 25,000円←節約 |
| 交際費 | 10,000円←節約 |
| 衣服代 | 5,312円 |
| 教養・娯楽費 | 10,000円←節約 |
| 自動車関係費 | 0円←節約 |
| 医療費・医薬品費 | 0円←節約 |
| 合計 | 73,767円 |
こうすると、合計生活費は、7万3,767円!
家賃4万円とあわせても、11万3,767円となり、月収(手取り)12万円でも大丈夫ですね。6,233円の黒字になります。
| 家賃 | 節約した生活費 | 家賃+節約した生活費 | 月収(手取り) | 収支 |
| 4万円 | 73,767円 | 11,3767円 | 120,000円 | +6,233円 |
つまり、家賃4万円のマンションに月収(手取り)12万円で住む場合、このように生活費をやりくりして月8万円以内におさえる必要があるのです。
1-4. でも貯金は不足、病気でピンチに
でも、ちょっと待ってください。
上記はあくまで生活費。毎月の生活に必要となる費用です。
この計算だと、毎月の生活以外に必要となる支出“貯金”が全くできない生活を送ることになりかねないんです。
それでは、月収(手取り)のうち、どのくらいを貯金にまわせばいいのでしょうか。
金融広報中央委員会の調査によると、一人暮らし世帯で貯金をしている人のうち、最も多かった貯金額は、「手取りの10~15%」という回答でした。
(参照:「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査) 平成30年」)
家賃4万円のマンションに月収(手取り)12万円で住む場合、手取りの10~15%といえば、1万2000円から1万8000円になります。
さきほどの黒字分6,233円では足りないんですね。
しっかりと貯金していくには、極端な節約をする必要があるんです。
それに医療費は、今はゼロでも、いつ必要になるかわかりません。
病気になって突然出費が増える可能性が十分にあります。
貯金がなければ、そんなときに困ってしまいますよね。
これまでの検証をまとめると以下になります。
- 家賃4万円のマンションに住むなら、月収(手取り)12万円が目安!
- ただし、生活費をやりくりして月8万円以内におさえる必要があり!
- しかも、これでは貯金がむずかしい!
- 病気になったら困ってしまう
では、どうしたら、貯金ができるようになるのでしょうか?
2. 家賃4万の賃貸マンションは収入(手取り)16万円が目安!
これまで、月収(手取り)12万円では、家賃4万円でも節約が必要で、節約をしても十分な貯金ができないことを見てきました。
つまり、家賃に対する月収目安が30%というのが不自然なんですね。
そこで、以下では、この月収目安を考え直してみましょう。
2-1. 家賃4万円なら 「月収(手取り)の25%」が目安
これまで見てきたように、家賃4万円のマンションに住む場合、過度な節約をしないで、適度に貯金をするためには、月収(手取り)12万円では厳しいんです。
家賃4万円の場合は、もっと目安月収を上げる必要があるんです。
具体的には、家賃を「手取り月収の25%」程度に設定するのがオススメです。
手取り月収の25%を家賃4万円とすると、手取り月収は16万円。
手取り年収にすると192万円ということになります。
家賃目安が月収の25%の場合
| 家賃 | 必要月収(手取り) | 必要年収(手取り) |
| 4万円 | 16万円 | 192万円 |
この月収(手取り)16万円であれば、以下のような収支になります。
| 家賃 | 節約した生活費 | 家賃+節約した生活費 | 月収(手取り) | 収支 |
| 4万円 | 73,767円 | 11,3767円 | 160,000円 | +46,233円 |
しっかりと生活費を節約すれば、毎月の収支では4万6,233円もの黒字が出るんですね。
これなら生活にかなり余裕が生まれることになります。
手取り月収の10~15%(20000~30000円)を貯金したとしても、1万~2万円程度の余裕がある計算になります。
これだったら、突然の病気も安心です。
ただ、気をつけなければいけないのは、手取り月収が16万円ということは、サラリーマンなどの被雇用者では、総支給額では19万円以上を稼ぐ必要があるということです。
その給与から、健康保険、厚生年金保健、雇用保険、住民税などが天引きされた金額が16万円になります。
でも、この手取り月収16万円、支給額19万円以上は非現実的な数字ではありません。
厚労省の調査によると、2018年度の初任給は大卒で20万6700円、高卒で16万5100円でした。
大卒者であれば、多くの人が稼げる金額なんですね。
(参照:教育新聞「18年の初任給が過去最高 厚労省調べ、大卒女子は減」)
2-2. 東京なら市部、郊外や地方が狙い目
前述したように、家賃4万円に必要な目安月収(手取り)は16万円です。
ここでいう「家賃」というのは、管理費と共益費を込めた金額だと思ってください。
管理費や共益費は、マンション等を管理するためにマンションの家賃とは別に、居住者が皆で出し合って運営を行う費用です。
エントランスホール、廊下、エレベーター、ゴミ捨て場などの共有部分を維持するためのものです。
家賃4万円のマンションを東京都内で探すのであれば、23区でなく市部を中心に探すのが現実的でしょう。
東京でも市部の駅から10分程度離れているようなマンションであれば、インターネットで検索しても、家賃4万円のマンションはかなりの件数がヒットします。
あるいは、会社から乗換えなし、電車1本で通勤できる路線で探してみるといいかもしれません。
また、地方に目を向けるのもオススメです。
3. 家賃4万円の賃貸に住む場合の生活シミュレーション
東京都内で1人暮らしをするというのは、なかなか大変です。
思った以上にお金がかかることがあります。
そこで、実際に手取り16万円の会社員が家賃4万円のマンションに住んで生活するのに、どれくらいのお金がかかるのかをシミュレーションしてみましょう。
3-1. 初期費用
まず、マンションを借りるための費用が必要です。
家賃4万円、礼金4万円、仲介手数料4万円、前家賃1ヶ月分4万円、保険料2万円、その他鍵交換費用や自治会費などで2万円だとして、20万円が必要になります。
無事、借りることができたら、次は引越しの費用が必要です。
これは、荷物の量によっても金額が変わってきます。
また、業者でなく自身だけで行えば節約になりますが、ここでは現実的に4万円としておきます。
これで入居の準備はできました。
他に部屋に必要なカーテンや什器、家電製品等を買い揃えて15万円だったとします。
この場合には合計で39万円となります。
これが初期費用で、生活を始めるために必要な予算です。
3-2. 水道光熱費
東京の1人暮らしで毎月かかる水道光熱費は、平均すると約1万円ということになるでしょう。
毎月ランニングコストで1万円の出費は、大きい金額です。
何とか節約できる方法ないでしょうか。
まず電気代についてですが、最近では家庭用電気の小売りが自由化し、消費者の選択肢が増えました。
様々な会社を比較してみると、節約になる可能性があります。
ガス代は設定温度を変えるだけで、節約ができるので非常にわかりやすいのですが、節約の結果、風邪を引いたりしてしまっては本末転倒なので、無理のない節約を心がけましょう。
最後に水道についてですが、これは基本的に水を出しっぱなしにしないことです。
特に洗い物をするときには、ついつい水を出しっぱなしにしてしまうことがあります。
こういったことを意識すれば、年間を通じてかなりの節約をすることが可能です。
3-3. その他の生活費
その他で、毎月必要な生活費といえば、食費が大きな割合を占めます。
食費は、外食が多い人だと月に4~5万円を使用してしまう場合もあるでしょう。
この食費は、家計を節約するうえでカットしやすい項目の1つです。
子の場合、自炊を意識して行うことが節約につながります。
また、時間がある休日などに作り置きをして冷凍しておくことで、時間とコストをカットすることもできます。
こういった作り置きをする場合には、アレンジしやすいものを作ると効率的です。
無理なく楽しんでできることが、長期的に節約を行うのに非常に重要な要素です。
食費以外で毎月かかるランニングコストには、スマートフォンなどのインターネット通信費1万円、交際費1万円、洋服代1万円、その他日用品や娯楽費などが挙げられます。
手取り16万円であれば、十分に生活できます。
また、ここからが重要なのですが、自身の手取りを上げるために、自己投資や将来のための貯金をする余裕をもつことが、非常に重要になります。
収入に対して家賃が30%もあると、とても将来への投資はなかなかできないのが現実なのです。
4. 家賃4万円、収入(手取り)16万円なら、こんな間取りの賃貸がおすすめ!
家賃4万円のマンションを探すには、東京郊外で駅から徒歩10分というのが一般的な基準となるでしょう。
その間取りは、ワンルームマンションでミニキッチン、エアコン、設備が良ければオートロック付きの物件というものがおすすめです。
おそらく、全てのニーズを満たす物件というのはなかなか見つからないと思われるので、優先順位をつけて一番の条件をクリアしているのであれば、他の条件は妥協するということになるでしょう。
まずは勤務先に通いやすい沿線を調べ、希望エリアを選定し、インターネットで検索すれば家賃4万円のマンションは比較的容易に探すことができます。
5. 家賃4万円の賃貸に必要な収入(手取り)額まとめ
さて、今回は家賃4万円の賃貸に必要な収入について調べてきましたが、いかがだったでしょうか。
最後に、上記のことをまとめてみたいと思います。
<家賃4万円の賃貸に必要な収入まとめ>
- 家賃4万円のマンションに住むのであれば、手取り月収16万円が必要
- 年収に対して家賃の目安は20%程度に抑えるのがよい
- 家賃は管理費と共益費を込めた金額と考えるべき
- 契約や、引越し、家具などの初期費用が約40万円かかる
- 水道光熱費が毎月約1万円はかかる
- 節約を最もしやすいのは食費を削ること
- 家賃4万円のマンションの間取りは「ワンルーム・ミニキッチン付き」
- 東京都内で探す場合はどうしても郊外になる
家賃4万円のマンションでの生活は、できるだけ自分の将来への投資のために貯金することを心がけましょう。
貯金するには、できるだけ引越ししないことも重要です。
長期間住める物件を探してみましょう。





