PTA団体の活動が現代の社会にあまり適していないことは、最近よく話題になることがあります。
特にPTA役員になると、平日の昼間にPTA会議のため時間を拘束されてしまうこともあるため、どのPTA団体でもあまり積極的に役員になりたがる保護者は多くありません。
その結果役員選出は、くじ引きやじゃんけんで決定しようとするケースも少なくありません。
ここでは、トラブルになってしまうパターンや、選ばれてしまった際の断り方や、トラブルを回避するための相談先について考えてみましょう。
このページでわかること
1. PTA役員の選出はくじ引きやじゃんけんが多い
PTAとは、parents(保護者)・teacher(先生)・association(組織)を意味する言葉で、子供のために地域社会全体で協力しあう団体のことです。
その歴史は古く、なんと日本では戦後すぐ1945年から全国的に広まりました。
活動そのものは学校によって異なりますが、学校行事の運営、リサイクル活動の補助、安全パトロール、広報活動などを行う団体が多く、PTAの会費は、学校の活動のための重要な費用になります。
その活動は非常に意義のあるものですが、PTA役員の選出はあまり積極的に立候補する方がいないため、くじ引きやじゃんけんで決めることも少なくありません。
逆に、スムーズに決まるケースの方が少ないとも言われています。
そもそも、くじ引きやじゃんけんで決まったとしても、その後に「実はこういった理由でPTA役員をすることはできない」とさらに紛糾することも多々あります。
また、一旦じゃんけんで決まったところ、しぶしぶ役員になった人がまともに集会に参加しなかったり、活動しなかったりするケースも出てきます。
もともとPTA活動とは、学校教育活動として必要な会費を集めることや、子供のために活動を行うということで、いわば保護者のボランティアとして行われてきた団体活動です。
ですのでPTA役員に立候補者がいない時点で、本来の活動とは矛盾しているイメージを受けてしまいます。
そうは言っても、じゃんけんやくじ引きで決まった場合でも、前向きに「責任をもって頑張ろう」と活動に取り組む方もいらっしゃいますし、PTA役員をやった結果、学校や地域貢献できたことに対し満足する方もいらっしゃいます。
できることなら前向きに取り組んでほしいところですが、各家庭の事情もありますので、「現実的に無理」という状況ももちろん理解できます。
2. PTA役員にくじ引きで選ばれたら断ることはできない?!
PTA役員の選出は、春の時期に行われます。
特に母親の立場から考えると、一大イベントです。
もし、くじ引きやじゃんけんで選出されてしまったら、困る方も少なからずいらっしゃることでしょう。
さて、PTA役員に選出されてしまったら、断ることはできないのでしょうか?
前述したように、そもそも「PTA活動そのものがボランティアの一環」である以上、加入自体を断ることも可能です。
しかし、基本的には「加入するのが前提」で話は進められていきます。
でも、加入しないという選択をすることもできるのです。
ですので、当然のことながらPTA役員に選出されてしまっても、断ることは可能です。
とは言え、断る理由がしっかりと周囲の理解が得られないと、人間関係が悪くなってしまうことがあります。
断り方にも当然のことながら配慮が求められるのです。
「役員はできないけど時間があったときにPTA活動には協力したい」「今回はこういった理由で役員はどうしてもできないのですが、次回は前向きに検討したい」という姿勢や態度が必要でしょう。
3. くじ引きによるPTA役員の選出でトラブル多発
PTA役員の選出には、トラブルが起こることがあります。
くじ引きなどを行うことができない、と考えられているPTA団体では、「誰かが立候補するまで帰れません」形式で、監禁状態になってしまうこともあります。
仕方なく良心的な方が手をあげる、というケースもありますね。
また、くじ引きでPTA役員が選出され、事情があって断った方へ何度も何度も役員を迫るというトラブルもあります。
「役員を迫る」時点で、もはやボランティアとは言えませんね。
くじ引きや投票によって選出する場合、欠席した人に役員が回ってくることもあります。
当然その場にいないので、「PTA役員に決定したので、よろしくお願いいたします」と後から通知を受ける、というケースもあります。
無理やりPTA役員に決定し、引き受けてもらったとしても、まともに活動をしてもらえないのであれば、後々トラブルになることもあります。
PTA役員にはなり手がいない場合が多いものの、他人を陥れるような行為は避けたいですね。
4. PTA役員選出のくじ引きでトラブルにあった場合の解決策や相談先はある?
前述したように、PTA役員になることを拒否する権利は誰にでもありますので、くじ引きで選出されてしまったとしても断ることはできます。
ただしその際には、周囲が納得してくれるような、もっともな理由が必要です。
そこで、特に受け入れられやすい理由をいくつか挙げてみました。
- 母子家庭、共働き、フルタイムでの仕事を持っているため時間的に難しい
- 他に子供がいるため、現在は引き受けられそうもない
- 他に地域の役員などの活動をしているため難しい
- 出産を控えている、病気など健康上の理由
- 親の介護がある
こういったしっかりとした理由があれば、基本的には強制はできないはずですが、時にはトラブルに巻き込まれることもあるかもしれません。
PTA役員選出のくじ引きなどのトラブルに巻き込まれたときは、基本的には真摯な態度で周囲に相談して解決にあたるべきですが、どうしてもこれは解決できそうもないな、ということもあるかと思います。
そういったトラブルは、基本的には人間関係のもつれが多いと思われます。
その際は、学校に相談することができます。
また、法律事務所などに相談することもできます。
法律事務所によっては、こういった教育に絡んだ問題を得意としている弁護士がおり、法的、専門的な知識を持って対応してもらうことができます。
しかし、そのことが他の保護者に知られてしまった場合は、かえって大きい問題になる可能性もありますので、そのあたりは注意が必要です。
最近では、法務省の人権擁護局などにもインターネット相談窓口が設けられているので、そういったサービスをまず利用してみるのもいいかもしれません。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまでPTA役員の選出の問題について考えてきました。
以上のポイントを簡単にまとめてみたいと思います。
- PTA役員の選出は、じゃんけんやくじ引きで決められることが多い
- PTA役員に選出されてしまったとしても、断ることはできる
- じゃんけんやくじ引きでPTA役員を選出しても、トラブルになる可能性がある
- PTA役員を断るときには、しっかりとした断る理由が必要
- PTA役員選出でトラブルになった場合は、学校や法律事務所にも相談することができる
- 法務省の人権擁護局などにインターネット相談窓口があり、意見を聞くことができる
実際のところ、PTAを廃止したケースも最近ではありますが、形を変えて復活させたという例もあります。
やはり保護者たちの協力あってこそ、学校の現場が成り立っているという事実はあります。
抜本的なPTA活動の見直しも必要だとは思いますが、できる限り前向きに参加していくのが重要なのではないでしょうか。





