引越しが決まり、いま借りている物件の退去が決まったら、貸主の大家さんや物件の管理会社に退去の連絡をします。
しかし、その時になってはじめてハウスクリーニングの費用を請求され、驚いてしまう事がある様です。
賃貸物件のハウスクリーニングにかかる費用は本来、物件を貸し出す貸主が負担すべきもので、国土交通省も「原状回復をめぐるトラブルとガイドラインについて」の中で認めています。
しかし、現実的には借主と貸主が交わす賃貸借契約の中で、退去時に借主に対してハウスクリーニングの費用を請求することを明記する=合意したとみなされる場合が多く、借主は従わざるを得ません。
その場合、契約時に貸主に預けてある敷金がその費用に充てられる訳ですが、敷金が0円だった場合や、相場以上の高額な費用を請求されてトラブルに発展してしまう事もあります。
いざと言うときに困らないように、賃貸物件のハウスクリーニングに関する知識を備えておきましょう。
このページでわかること
1. 1Kのハウスクリーニング料金の相場とは?
退去時には借主が室内を掃除していくのが一般的ですね。
では、普段からまめに部屋の掃除をして、綺麗なまま明け渡せばハウスクリーニングは必要ないのでしょうか?
答えは「ノー」です。
ハウスクリーニングでは普段の掃除では行き届かない部屋の隅々を、専門の業者が特殊な道具を使って清掃しているのです。
それではハウスクリーニングには、一体いくらぐらいの費用が掛かるのでしょうか?
ハウスクリーニングの業者や比較サイトによると、アパートやマンションで以下の価格が相場だと言われています。
1-1. ハウスクリーニングの料金相場
- 1DK・1K・1R/15,000~35,000円
- 1LDK~2LDK/30,000~70,000円
- 3LDK~4LDK/50,000~120,000円
- 5LDK以上/80,000円~
また、戸建ての場合には2割程度高くなるのが通例と言われています。
2. 1K賃貸を退去する時に請求されるハウスクリーニング料金の相場
1Kの賃貸物件の場合、ハウスクリーニング料金は15,000~35,000円くらいが相場と言えます。
もし、契約書に退去時のクリーニング費用の負担について明記されており、相場の価格の範囲内であればそのまま支払いに応じましょう。
ただし部屋面積が広い物件の場合を除き、1Kで相場をはるかに超える費用を請求された場合、その詳細を確認すべきです。
3. 賃貸退去時の金銭トラブル例と防止策
3-1. 退去時に覚えのない原状回復費用を請求された
原状回復に掛かる費用については、賃貸借契約を結ぶ際に書面に明記されており、口頭でも説明を受けている場合がほとんどです。
しかし借主からしてみれば時間の経過とともに忘れてしまっている事が多いのが現実です。
契約書を確認してしっかりと明記されている場合には、費用に関しても貸主・借主双方の合意事項となります。
ただし、契約内容に盛り込まれていない請求だったり、相場よりも高額な費用を請求されてしまった場合には、そもそも支払い義務がない可能性があります。
ですからその詳細を確認し、貸主・管理会社との間で納得のいくところまで話し合いましょう。
3-2. 相場以上のハウスクリーニング費用を請求された
国土交通省の『「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について』によると、
原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること」
と定義されています。
つまり、借主が故意や過失で傷つけてしまったり、汚してしまったりした場合には、貸主がその回復にまつわる費用が請求できるという事です。
しかし、本来借主が負担する必要のないクリーニング費用を貸主が請求している場合もあります。
中には借主の無知や泣き寝入りを狙って、悪質に不当な請求をしてくる不動産管理会社もあるのです。
4. 1K相場より高額なハウスクリーニング料金を請求された時の対処法
もし、相場以上の費用を請求されて納得がいかない場合には、まず、その費用にまつわる明細が提示されているはずなので、それと照らし合わせましょう。
ただし、明細を提示されただけでは、その価格が適正かは分からないかも知れません。
そこで他の業者にも見積もりを取ってもらい、比較する事で過剰な費用請求の有無をチェックする事が出来ます。
そして、それらの見積もりがあれば、納得のいかないクリーニング費用の請求に反論する根拠となります。まずはご自身が退去される際の適正価格を把握し、必要であれば専門家の力も借りてきちんと対処しましょう。
5. 1K相場より安いハウスクリーニング業者にも要注意!
5-1. インターネットで相場より安いハウスクリーニング業者を見つけたら
相場を知るために、ハウスクリーニング業者をインターネットで探す方も多いでしょう。
中には相場よりも安い業者が見つかって、その数字を鵜吞みにする方がいるかも知れません。
しかし、相場を異常に離れた安価を謳い文句にする業者には要注意です。
プロの業者とは思えない雑な清掃をしたり、思ってもみなかった追加費用を請求されてしまうケースもあります。
インターネットで調べた業者に問題がないか、悪質な業者ではないかしっかりと事前に見極めましょう。
5-2. 悪質なハウスクリーニング業者を見極めるためには
もし悪質な業者にハウスクリーニングを任せてしまうと、清掃のクオリティが低いために貸主からもクリーニング費用を請求される羽目になったり、想定外の汚れが見つかったなどの理由で、追加料金を請求されてしまうケースなどがある様です。
悪質な業者の被害に遭わないためにも、以下の点に気を付けましょう。
・口コミサイトの評判を鵜呑みにしない
商品やお店など、何を選ぶにも口コミサイトや比較サイトはとても参考になりますね。
いざハウスクリーニングの業者を検索してみると、やはり口コミサイトや比較サイトが見つかります。
しかし、そこにある評判には悪質な業者がねつ造したもの(ステルスマーケティング)も含まれています。
良い評判の中に正反対の悪い評判が混ざっている場合、ステルスマーケティングの可能性が高いので気を付けましょう。
・会社のホームページも確認する
ちゃんとしたホームページを用意するにはそれなりのコストが掛かりますので、ホームページをチェックする事も業者の質を見極めるのに役立ちます。
特に、口コミサイトで良い評判が多かったのに、ホームページが無かったり分かりにくかったりする場合には、不当な集客を目的としている可能性がありますので、要注意です。
見積もりに関しては業者の営業マンが来てくれる場合もあれば、メールや電話での質疑応答のみで済む場合もありますが、後から無用なトラブルを避けるためにも実際に室内を見てもらった方が得策です。
また、提示された見積もりに納得いかなければ、その点を別の業者に尋ねてみるのも良いでしょう。
6. 1Kのハウスクリーニング料金の相場とトラブル防止策まとめ
1Kを退去する際のハウスクリーニングにも、様々なトラブルの種が潜んでいる事が分かりましたね。
1Kであれば通常50,000円は超えないと言われるハウスクリーニングの費用ですが、まずは契約内容にハウスクリーニングの義務が含まれているかを把握する事が肝心です。
支払う必要があった場合でも、必要以上の出費をしないためにもしっかりと下調べをしておきましょう。





