一人暮らしがしたい!と思い不動産会社に行ったとしても、雰囲気に飲まれ自分の聞きたい事が聞けなかった…ということはありませんか?
不動産会社って独特な雰囲気がありますし、難しい言葉も多いので不安ですよね。
今回は転職活動中で一時的に無職の方や、自営業・フリーランス、勤続年数が短い新社会人の方など、いわゆる「収入が不安定」と判断されてしまう状態にある人達は、どのようにして信用を得て、お部屋を借りることができるのか、 また、通常の契約とは異なる書類や費用が必要なのか等、安心してお部屋を借りることができる方法を解説していきたいと思います。
このページでわかること
1. 無職でも賃貸借契約ができる方法
無職の方でも賃貸借契約をすることは可能です。
しかし契約する際に提出する書類が多かったり、借りられる物件に限りがあるということも事実です。
お部屋を貸す大家さんや、契約やその後の管理をスムーズにするために存在する不動産管理会社さんも、「継続して家賃を支払う能力があるか」をベースに審査を行います。
地域交流が少なくなった現代において、判断基準は人柄よりも支払い能力を優先する比重が重くなりました。
よって、大家さんや不動産管理会社さんに対して、「家賃を滞納する心配はない」と認識してもらえる書類を提出することが必要です。
では、無職の方でも賃貸借契約ができる具体的な方法をご紹介していきます。
無職でも問題なく審査が通る4つの方法
入居審査を通す方法は以下の4つです。
- 代理契約(親族名義)で契約する
- 保証会社に加入する
- 預貯金審査を行う
- 無職でも契約できる物件を選ぶ
1-1. 代理契約(親族名義)で契約する
一番了承を得られやすい方法です。
しっかりと働いている親族に契約者になってもらい、親族名義のお部屋に住む方法です。
親族の方に課税証明書や源泉徴収票等の収入を証明できる書類、本人確認書類など、部屋を借りるのに必要な書類をすべて提出してもらうことになります。
実際に住む人が無職で支払い能力が無かったとしても、契約者本人に安定した収入があれば契約する事は可能です。
進学によって初めての一人暮らしをすることになる学生さんが良い例ですね。
学生さん本人は、支払い能力がないとみなされますが、両親どちらかが契約者になることによって契約が出来ます。
代理契約については、主に学生さんが使用する契約手段として扱われていることが多いです。
卒業後に就職をするイメージをしやすく、両親どちらかの収入額に問題がなければ契約という形になりますが、学生以外ですと、具体的な将来像(いつ就職して、どういう仕事をするか等)を聞かれる場合があります。
1-2. 保証会社に加入する
親族に頼れない、既に両親は定年退職をしており収入が少ないという方には、保証会社への加入があります。
保証会社は、仮に入居者さんが家賃を支払えなかった場合、その月の家賃分を保証会社が立て替えてくれるサービスを行ってくれる会社です。
大家さんにとっての一番の懸念事項である家賃滞納のリスクがゼロになり、毎月保証会社が責任を持って家賃を振り込んでくれるので、大家さんとしては安心してお部屋を貸すことができます。
保証会社の審査さえ承認されれば、無職でもなんでも良いですよ、という大家さんや不動産管理会社さんはたくさんいます。
ただし保証会社にも種類があり、過去に公共料金の遅れやクレジットカードの使用に伴う料金滞納があった場合などは審査が承認されないケースがあります。
もちろんその他にいろんな理由で審査が承認できない場合がありますが、承認できない理由は決して教えてくれません。
1-3. 預貯金審査を行う
預貯金審査とは、貯金通帳の残高を提示して、今後の家賃の支払い能力があるかを判断してもらう方法です。
ただ、預貯金審査のハードルは高く、最低でも家賃の25ヶ月分必要と言われるケースや、生活費、緊急医療費なども加味して判断する大家さんもいるので、よっぽど預貯金額が大きくない限り難しいでしょう。
預貯金審査自体を受け付けていない大家さんや不動産管理会社さんも多いので、実際にお部屋を探す際には前もって自分の状況を伝えておくことが大事です。
それにより適切な方法を不動産仲介会社が探してくれますので、まずは担当者に相談しましょう。
1-4. マンスリーマンションやUR賃貸などの特殊な物件で契約する
マンスリーマンションやUR賃貸などの物件は、契約の際にまとまったお金を一括で支払えば、職業や収入に関係なく賃貸借契約を結ぶことができます。
「マンスリーマンション」とは、あらかじめ期間が定められていて、最短1ヶ月から契約できるマンションのことです。
費用に関しては契約時に前払いするので、継続的な収入という部分はあまり関係ありません。
「UR賃貸」とは独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)が管理する賃貸住宅の事で、契約にかかる手間が少ないのが特徴です。
UR賃貸には契約時に1年以上分の家賃を一括で前払いすることができれば問題なく契約できる制度があります。
礼金・仲介手数料・更新料が無料、さらに保証人も必要ないというとてもありがたいものです。
ただし、預貯金額が家賃の100倍以上あることが条件とのことです。
こちらを利用すると
- 継続的な収入を証明できる書類の提出が不要
- 1年分以上分を支払うことによる割引等が付く
などのメリットがあります。
URは結構質の高い物件も多いので、貯金に余裕がある方にはオススメです。
2. 賃貸借契約の可能性をあげるなら
無職の方が賃貸借契約をするという事は、比較的探すことが難しく、実際に住める物件の数も限られてしまいます。
だからこそ、できる事はやっておこうという事で、誰にでもできる「賃貸契約の可能性をあげる」方法をお伝えします。
すぐできる!賃貸契約の可能性をあげる3つの方法
2-1. 来店時や顔合わせの際に人柄や見た目で好印象を持たせる
不動産仲介会社・管理会社に行くときや大家さんと初めて会うときは、印象が良くなるように心掛けましょう。
不動産会社の担当さんや大家さんも人間ですので、人柄が良い方には、自然と何かしてあげたいと感じます。
特に不動産仲介会社の担当さんは、大家さんや保証会社の担当者さんとやりとりを行い、入居希望者がどのような人物なのかというお話をすることがあります。
不動産仲介会社の担当さんにあらかじめ自分を伝えておけば、作り上げた素晴らしい人柄だとしても契約の可能性をあげることが可能です。
2-2. 過去の滞納歴を含め隠し事はせず、自分を開示する
過去に滞納歴があるかというのは、入居審査時に必ず調べられます。
見栄を張って嘘をついたとしても、残念ながら必ずわかってしまいます。
最初から現状況について把握してもらった方が、不動産仲介会社の担当さんも探しやすいので、自分の今までの経歴や状況について詳しくお話しておきましょう。
あなたの人生に共感し積極的に動いてくれる人もいると思いますので、自分を開示することは大切です。
2-3. 不動産業界の閑散期を狙う
お部屋を探す人が少なくなる不動産屋の閑散期の5月~7月、11月付近に不動産屋に相談してみましょう。
お客様も少ないので、無職で少し手間がかかる契約になったとしても、売上確保の為にとても献身的に動いてくれます。
逆に1月〜3月は繁忙期で、手間がかかるお客様は後回しにされてしまうことがあるので、時期を意識したお部屋探しも重要です。
3. フリーランスと新社会人は無職と同じ扱い!?
「安定した収入がない」という事は、フリーランス、新社会人も無職と同じ扱いなの?と思われがちですが、それぞれ状況は異なります。
3-1. フリーランス、新社会人が無職と異なる理由
- 無職:安定した収入どころか、一時的な収入を得る見込みもない
- フリーランス:安定した収入はないが、一時的な収入を得て生活している
- 新社会人:現時点では安定した収入・一時的な収入を得ていないが、働き始める具体的な時期と、収入がわかっている
無職の方には、家賃を支払う具体的な証明ができる書類はありませんが、フリーランス・新社会人の方は異なります。
フリーランスの方には、直近3ヶ月など指定された期間の収入証明書を提出する事で、現在の生活とこれからの生活を予測し審査をしてくれます。
新社会人の方については、採用証明書を提出することによって、明確な働き始める時期や収入を理解してもらうことが可能です。
大家さんや不動産管理会社さんに、どのように家賃を支払うのかイメージを持ってもらう事が大切なので、フリーランスと新社会人の方に関しては、公的な書類を提出することで証明となり、安心してお部屋を貸してもらえます。
フリーランスの方に関しては、なにかの理由で急に仕事がなくなってしまった場合に備え、連帯保証人が必ず必要と言われるケースも多々あります。
4. 賃貸借契約の流れを確認しよう
ここで改めて賃貸契約の流れをご説明します。
⑴部屋の条件を考える
収入に応じての家賃、職場に応じての場所、周辺環境など、「理想の住まい」をイメージ
⑵物件を探す
自分の希望に沿った物件が実際にどの程度あるのか確認
⑶不動産会社に行く
自分の現状況を説明した上で、希望に適して入居可能な物件を紹介してもらう
⑷内見
お部屋の状況を実際に見て確認
⑸申し込み、審査開始
入居申込書を記入して、各書類の提出(本人確認書類など求められる書類すべて)
⑹審査承認
大家さんや不動産管理会社、保証会社の厳選なる審査
⑺重要事項説明を受ける
宅地建物取引士に説明を受け、問題なければ正式に契約書に署名捺印
⑻物件引き渡し
以上が一般的な賃貸契約の流れになります。
4-1. 無職の場合の賃貸契約の流れ
無職の方の場合は、入居できる物件が限られ、気に入った物件だとしても確実に契約できるとは限りません。
その後の対応や、書類の準備などを踏まえ、審査を行います。
主な必要書類として、収入証明書、採用通知、預貯金残高がわかる書類、住民票、免許証など本人の確認できる書類などを提出します。
大家さんや不動産管理会社によって必要な書類が異なるので、その場で確認します。
連帯保証人をたてる場合は、連帯保証人の本人確認書類のコピー、印鑑証明書、実印、収入証明書などを用意してもらうように伝えましょう。
入手に数日かかる場合もあるので、あらかじめ準備をしてもらうように話をしておくと審査もスムーズです。
書類が整ったら、無事契約、引き渡しという形になります。
無職の方がお部屋を借りる上で、一番大事なのは『家賃を支払うことができると信頼してもらう』事です。
大家さんの一番の心配は「家賃の滞納」です。
実際に家賃を滞納されると手間がかかります。
大家さん側も家賃を催促するのは入居者との関係性もあり、強く言えないケースが多く、気が重いと思っている方もいらっしゃいます。
大家さんは怖くて口うるさいという印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、実際は入居者との関係性に悩み、家賃の催促をする事に抵抗がある大家さんが多いのです。
そして「無職=お金が無い」というイメージを大家さんは抱いています。
だからこそ、入居者本人が大家さんの意思をくみ取り、理解した上で、働く意思表示を見せ、預貯金の残高を示し、大家さんを安心させた上で、コミュニケーションを図り「信頼」してもらう必要があるのです。
5. まとめ
無職の方でも本人の気持ち、対応次第で賃貸借契約をする事は十分可能です。
無職だからといってあきらめず賃貸物件を探してください。
現在は、保証会社に必須加入のお部屋も多くなり、よほどの滞納などがなければ審査を通過させてくれるよう努力してくれる不動産管理会社さんがたくさんあります。
とにかく、お部屋を紹介してくれる不動産仲介会社の担当さんにしっかり自分の状況を伝えれば、スッとお部屋なんて借りられるものです。
構えず、いろんな方に頼ってお部屋探しと新生活を良いものにしてください。





