誰もが憧れる、念願のマイホーム。
これまでは、少し手狭な賃貸でつつましく暮らしていたけど、子どもも大きくなってきたし、そろそろ自分の家が欲しい……
こう思われる親御さんは、かなり多くいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし実際のところ、現在日本国内の平均世帯年収、特に子育て世代の生活は、全体的に見ると温まっているというわけではなく、立派に勤められているのに資金的にマイホーム取得が難しい、と心配されているご家族も正直いらっしゃるのではないかと思います。
ですが今回ご紹介するのはズバリ、「1,500万円で家を建てちゃおう!」というものです。
「本当にそんなこと可能なのか?」と耳を疑われる気持ちもお察しいたしますが、実はそれほど珍しいことでもなく、実際に1,500万円で、しかも4LDK物件での生活を実現されているご家族もすでにいらっしゃるのです。
このページでわかること
1. 4LDKを1,500万円で新築する方法
では実際にどのような流れで、このような格安住宅を建てることができるのでしょうか?
少しでも安く、少しでも充実した我が家を手に入れられるよう、マイホーム建築のポイントを確認していきましょう。
1-1. マイホーム選びは土地からすでに始まっている!
「さあ家を建てるぞ!」と意気込む前に、必要となるのはまず土地の確保ですね。
運よく親戚から譲り受けたり、親しい中の人から安く払い下げてもらえた人ならまだしも、ある程度の都市部になってくれば、たとえ同じ面積でも価格はグングン上がります。
また、これがご自身で1から土地探しとなれば、これはもう大変なものです。
情報提供を受けるにも購入にこぎつけるにも、手間と労力、また代金そのものや仲介のマージンなども相応の金額がかかってきて、この時点でかなり憔悴状態になることもしばしばあります。
また思っていたよりも土地が高く、諸々計算してみると予算が2,000万円もかかった、というパターンもあるかと思われます。
しかし、「いざ土地を手に入れた!」というその後も、油断は禁物です。
お家の建築費用と一口に言っても、純粋に建築にかかる資材や人件費などのことだけを指しているのではないのです。
土地がもし荒れていれば、土地の造成費用が必要になりますし、変形直しや地盤補強が必要ならそのコストもかかります。
付近の道が狭くて大型機械での工事が不可能なら、小型化して人件費もかさみ、水道やガスなどを引いてくるのにも、近くに供給ポイントがなければ新たに整備しなければなりません。
その他諸費用も合わせると、実は家本体のことだけを考えたときとは違い、その土地の条件によって同じ工法・間取りでも、コストが数百万円単位で変わってくるのです。
住宅の計画は、土地選びの段階からすでに、住宅相談教室や建築事務所などを通して、プロの手を借りておきましょう。
1-2. 注文住宅か、規格住宅か
新築住宅を注文する際は、間取りや工法に注文主の希望を色濃く反映させる「注文住宅」、すでに工事・設計者がテンプレートを作成している「規格住宅」、大きく分けてこの2種類のうちどちらかのスタイルを選ぶことになります。
一般にコストの面から見て有利なのは、後者の規格住宅ですが、少々値が張っても注文住宅の方が何となく良いお家が建ちそうな気もしますね。
この点に関しては、これという正解はありません。
また建築物は「ナマモノ」のようなもので、実際建って見ないとわからないという側面も否めません。
しかし一つ申し上げるなら、先入観をあまり持たず、注文住宅の方も規格住宅の方も、しっかりと視野に入れて検討されることをおすすめします。
相手は住宅のプロなのですし、施工件数・着工経験の多い事務所・メーカーならなおさらです。
あまりこちらの意見を通そうとしすぎたり、またそれを何でもホイホイと聞き入れられるのも困ったものです。
無理に言った通り作ってみたものの、実現に余計なコストがかかり、完成したら思っていたのと違う、なんてことも十分にありえますので、この点はご注意を。
1-3. オプション要素を甘く見ない!
同じ建築費用1,500万円と言っても、前述のように予備投資に吸われてしまうこともありますし、また建築コストの内訳も重要です。
いくら安く済むからと言って、住宅建築のオプション関係を無視しないようにしましょう。
具体的に言うと、断熱機能や気密性が最も大きな分かれ目となるでしょう。
たとえ安いからと言って、これらの機能を低く見積もってしまうと、後になって冷暖房費がかさんだり、話し声や生活音が外に漏れてしまったりと、取り返しのつかないトラブルや対策のための二度手間を呼ぶはめになります。
カーテン設置や窓枠レベルから建設費用に含まれるので、周辺環境や実際の生活をできるだけリアルに想定しながら、これらの要素を甘く見ずに吟味していきましょう。
1,500万円という予算でマイホーム実現を果たすには、場合によってはこれらの建築要素から逆算して土地選びを考え直す必要も出てくることでしょう。
2. 4LDKを1,500万円で新築する場合のメリット・デメリット
ここで、4LDKを1,500万円で新築する際の、メリット・デメリットをまとめておきましょう。
・メリット
- コストパフォーマンス
- 条件によっては案外設計に融通が効く
- 無駄のないコンパクトな家になる
- 予算があれば後から増築したりセカンドハウスにもしやすい
・デメリット
- ローコストな分、親身になって希望を叶えてくれる設計・工事者と出会えるかどうかが大きく結果に出やすい
- 立地や間取り、工法などどうしても何かの要素を捨てなければならない場合が多い
- コスパ実現のため土地選びから難航しやすい
3. 4LDKを1,500万円で新築する場合と中古住宅購入の違い
そもそも1,500万円という資金が手元にある場合、皆さんは新築と中古住宅のどちらを選びますか?
1,500万円で4LDKともなれば、今回ご紹介するように格安住宅を新築するか、中古住宅を購入するかの岐路に立たされるわけですが……
この両者にどのように違いがあるのか、一度整理しておきましょう。
3-1. 失敗しにくいのは中古住宅
マイホーム購入は、やはり多かれ少なかれ、イメージしていたものと多少の差が出てきてしまうものです。。
この点、事前にしっかりと予見できる中古住宅は有利と言えるでしょう。
中の様子や付近の環境、音環境や温度環境まで、くまなくチェックすれば不安は最小限に抑えられます。
3-2. 耐震性
格安新築住宅の場合、いくら安いと言ってもある程度名の通った業者に注文すれば、そこまで耐震性について心配する必要はないのではないでしょうか。
もしご不安であれば、着工前からしっかりと確認をしておきましょう。
中古住宅の場合、あまり築年数の経ちすぎたものになると耐震基準が曖昧になってきます。
耐震性に疑問がある場合は、建築士などの証明を確認するか、不安なときは購入後に耐震リフォームをしておくなどの手が考えられます。
3-3. 資金の回し方
1,500万円という資金は、新築にとっても中古にとっても「何とか収まる資金」です。
しかし中古住宅にめぼしい物件がすでにある場合は、大幅に余剰資金を確保してリフォームなど他の資金に回せる可能性も出てきます。
場合によっては無理に新築するよりも、中古住宅を購入して手堅く断熱・耐震・防音リフォームする方が、より希望に近づけるかもしれない、という視点は持っておきましょう。
4. ローコストメーカー、ハウスメーカー、工務店の選び方
それではここで、実際に1,500万円で4LDKを建てたいと思ったとき、相談先を選ぶコツを簡単にご紹介したいと思います。
4-1. 売り手は主に3種類
4LDKを新築したいとなったとき、その注文先はローコストメーカー、ハウスメーカー、工務店の3種類が主となってくるでしょう。
それぞれ規模やお店ごとの差異もあるので一概には言えませんが、それぞれザックリと特徴を述べると以下の通りです。
・ローコストメーカー
限られた費用での設計に慣れている販売店が多く、既に多くの建築パターン・テンプレートがあり、話はスムーズでしょう。
ただし全てのお店がそうとも限らず、引き出しの少ないメーカーに当たれば、同じ予算でも融通性は一気に下がります。
・ハウスメーカー
大手という安心感があり、保証制度もしっかりとしている場合が多いですね。
住宅展示場があったり規模も大きく安定していますが、派手に広告を打っている分、余計にコストがかかっていることが多いのも現実です。
・工務店
広告やイベント・無駄なルートを通さない分、安く施工してもらえることが多いでしょう。
ただし、地元だからと頭から信用するのは禁物です。
特に注文住宅など、こちらの希望に合わせると、すぐに値が跳ね上がるパターンもありますのでご注意を。
4-2. 安さばかり前面に出す場所は疑う
これは、どんな商売でも通じるところがあるかもしれませんが、やはりマイホームは人生で最も大きな買い物であり、ちょっと無理してでも欲しがっている人は大勢います。
こんな心理を汲み取ってか何なのか、悲しいことに実際以上に安く広告を出す販売店は、少なからず存在するのです。
多くの販売店は「坪単価◯◯万円!」という表記の方法をとりますが、このお値段記述の基準もメーカーによってバラバラであり、諸工事費を抜いて書いてあるお店も多く存在します。
実際注文してみると、唖然とすることになってしまうこともありますので、ご注意を。
安さもウリの一つかもしれませんが、一番大事なのはお客の希望にしっかりと耳を傾けて、親身になってくれるかどうかです。
安さは、あくまでそのうちの要素の一つに過ぎないのです。
より具体的な判断材料としては、HPがわかりやすい・見やすい、たとえ相談が難航しても相手にしてくれるか、スタッフによって言っていることに差がないか、などが挙げられます。
もし話が詰まって途中で白紙に戻っても、売り手にとっても買い手にとっても大切な相談事ですから、それでも代替案を提示してくれるようなお店がやはり良いですね。
4-3. 無料相談会や比較サービスを活用する
ハウスメーカー比較サービスや、不動産屋などが、住宅のプロによる家のお悩み相談会を開いてくれたりしていれば、積極的にこちらを活用しましょう!
どちらも現状に合わせて、たくさんの選択肢を提示してくれる場合が多く、特に比較サービスでは数多くあるハウスメーカー・設計事務所・工務店などの中から見積もりを算出してくれるため、店舗での実際の交渉もスムーズになることでしょう。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか?
以上、4LDKを1,500万円という格安価格で新築したい場合のポイントをお伝えしてまいりました。
最後にもう一度申し上げますが、お家選びで本当に大切なのは、短期的な安さではなく、総合的な満足度です。
あくまで安さは数多くの要素の一つ、それも短期的なものに過ぎないということを忘れずに、ご自身の希望条件設定や販売店選びを行っていきましょう。
柔軟さを持って、楽しく計画から完成・生活までたどり着けるといいですね!




