マンションの間取りで最近よく目にするようになった「DEN」の表記。
その位置や広さによって使い方は多種多様です。
ですが、キッチンやリビング、洋室、和室といった居室空間とは異なるためDENは何のための部屋なのか、と不思議に思う人も多いはずです。
今回は居住者の使い方によってはとてもユニークな使い方ができるDENというスペースにスポットを当て、その意味と使い方を紹介していきます。
このページでわかること
1. 「3LDK+DEN」の「DEN」とはどんな意味?
そもそもDENは英語で巣や洞穴、巣窟という意味する言葉です。
DENはキッチンやリビングのように、特に使用目的が限定されるような空間ではありませんし、何に使う部屋なのかの明確な表記基準がありません。
これが、DENが「何の部屋?」「どんな意味?」と思われる方が多い理由です。
では、間取り図に表記される「DEN」にはどのような意味があるのでしょう?
一般的にはDENの持つ本来の「巣や洞穴、巣窟」という意味から「隠れるスペース」「篭るスペース」と捉えられ、転じて「書斎」や「趣味を楽しむための小部屋」のような隠れ部屋のニュアンスで表記されることが多くなりました。
事実、「DEN」=「書斎」「趣味を楽しむための小部屋」は定着しています。
実際にはDENは建築基準法で定められた居室空間と認められない空間、つまり採光や換気基準を満たしていない空間にあたるため、ただの「スペース」と考えるべきなのですが、このスペースに意味を持たせ、また住む人が何に使える部屋かを連想しやすいように「書斎」や「趣味を楽しむための小部屋」を連想させる「DEN」という表記をすることが多くなっているようです。
2. 3LDKの間取りで気になる「DEN」の部屋の使い方
家族で住むことの多い3LDKの間取りにDENがある場合、そのDENをどのように活用するかは気になるところです。
「DEN」=「書斎」「趣味の部屋」のイメージは定着しているのですが、当然、書斎や趣味の部屋として使わなければならないというわけではありません。
住む人によってその使い方はさまざまなのです。
具体的にDENの使い方を考えるときに、非常に大切になるのは「DENが部屋の間取りのどの位置にあるか」という点です。
リビングの横なのか、部屋と部屋の間にあるのかなど、隣りあう部屋との位置関係によって使い方は変わってきます。
ほかにも「設備や環境状況がどうなのか」も大切です。
「コンセントの位置・数」「電話回線の有無」「窓の有無」「扉の有無」「採光状況」も使い方に左右します。
特に3LDKの間取りの場合は家族が増えたり、子供が大きくなったりしたときに、そこを寝室のような居住スペースとして、また、衣類や小物が増えたときの収納スペースとして使いたいと思うこともあるでしょう。
DENの位置や設備・環境状況によっては有効的な使い方ができないかもしれません。
このようにDENの使い方はそのスペースの場所、室内の設備などを考慮しなければなりませんが、この点が住む人の条件をクリアしていれば基本的に使い方は住む人の自由です。
3. マンションの間取りによくある「S」と「DEN」の違い
ところで、部屋の間取り図を見ているとDENと同じように「S」という表記を目にすることがありませんか?
この「S」とは何の部屋なのでしょうか?
多くの人はDENよりもSのほうが馴染み深いかもしれません。
昔から日本の住宅には「納戸」というものがありました。
実はこのS、納戸のことを指しています。
最近ではサービスルームのSということも多いようです。
「DEN」が「書斎や趣味の部屋」とすれば「S」は「納戸(サービスルーム)」になりますので、「DEN」と「S」の違いはここにあるということになります。
ただし、これは呼び方の違いだけなのです。
「S」も「DEN」も居室としての基準を満たしていない空間ですので、単なる「スペース」です。その違いに明確な基準はありません。
不動産会社によっては書斎などに適しているスペースを「DEN」、納戸・サービスルームに適しているスペースを「S」と使い分けている場合や建物の持つイメージによって使い分けている場合もありますが、「DEN」と表記しているスペースであっても、実際には書斎には使えないこともありますので、表記だけで使い方を決めつけることをせず、実際に現地を確認することが大切です。
4. 3LDK+DENとは?意味と部屋の使い方を紹介
DENの使い方も千差万別、住む人にとって使い勝手のいい活用方法はさまざまです。
ここではこのDENの使い方の例を少しだけ紹介していきます。
4-1. 書斎として
DENはその意味の通り書斎として使うことを前提に作られていることが多いので、パソコンやプリンターを使う書斎として活用します。
仕事が忙しく、自宅でも仕事をしなければならない人にとっては家族を気にせずに作業に集中できるスペースになります。
4-2. 読書スペースとして
本棚と机、椅子を置いて読書専用のスペースにします。
読書が好きな人は本をたくさん所有していることが多いので、書庫スペースとして使用するのもいいでしょう。
4-3. 子供の遊び場として
子供が遊んだ後のおもちゃの後片付けは大変です。
DENそのものを遊び場として活用するのも一つの方法です。
4-4. 子供部屋として
家族が増えたときや子供が受験勉強をするときの子供専用の個室として使用します。
3LDKの間取りに限らず、子供が増えると1部屋に二人ということもあります。
子供が大きくなって受験勉強に集中しなければならないときの勉強部屋としても使えます。
4-5. 家事スペースとして
洗濯物を取り込んだり、畳んだり、またアイロンがけをするスペースとして使用します。
DENの場所にもよりますが、家事スペースとして使用することで家事の動線が確保でき、作業がスムーズになります。
4-6. 寝室として
最近のDENは4帖ぐらいの広さがあります。
窓があり、エアコンを設置できる環境があれば十分寝室としても使用できます。
4-7. 収納スペース
他の部屋の収納で収まりきらない衣服や食料、生活用品を収納するスペースとして使用します。
収納として使うには広々としていますので、季節物の衣服や非常食、生活雑貨など、かさばるものを綺麗に分別して収納しておきたい方にはおすすめです。
4-8. 仕事部屋
個人で仕事をしている人や奥様の在宅ワークのスペースとして使用します。
外で事務所を借りると費用がかかってしまいますが、このスペースがあると仕事部屋として活用することができるのです。
また、自宅を事務所としても使用している場合、来客用の応接スペースにするという使い方もできます。
4-9. リビングルームのサブスペース
DENとリビングルームが隣りあう場所にあった場合、ソファーやテーブルを置くなどして、リビングルームのサブルームとして使用する方法もあります。
リビングと一体化させる効果があるので、部屋のスペースを有効的に活用できるでしょう。
以上、DENの使い方を紹介してきましたが、これらは一例にすぎません。
住む方の生活習慣、家族構成、ライフスタイルによってDENの使い方はさまざまです。
ちょっとした工夫と発想で住む人独自の活用方法が見いだせるのではないでしょうか?
独自の活用法を見出すことができるという意味では、DENは非常に自由度が高くアレンジのし甲斐がある間取りだということが言えるでしょう。
間取り図だけで判断せず自分の目で確認して、DENの自由な使い方を見つけていきましょう。




