3LDKに5人家族は狭い?快適に暮らす上手な間取りの使い方とは

一所帯あたりの人数が少なくなってきている昨今、家族の多いファミリー世帯が、希望条件にぴったりのマンション物件を見つけることはなかなか至難の業のようです。

例えば、子どもが3人いる5人家族の場合、マンションで快適に暮らすには、どれぐらいの間取りが必要なのでしょうか。

3LDKの間取りで十分なのでしょうか。

それとも4LDKを選んだほうがよいのでしょうか。

5人ファミリーに適した住まいについて、じっくりと検討してみました。

1. 3LDKに5人家族で住むことはできる?間取りは2タイプ

5人家族に適した住まいとは、どんな間取りでしょうか。

はたして、3LDKのマンションに住むことは可能なのでしょうか。

まずは、3LDKの間取りについて知っておきましょう。

分譲マンションの3LDKの間取りは、リビングダイニングが横長か、縦長かで、大きく2つのタイプに分けられます。

1-1. 横長LDタイプの間取り

リビングダイニングにバルコニーの窓が広く面していて、リビングダイニングが横長になっているタイプの間取りです。

この場合、1部屋が和室になることもあります。

リビングダイニングの窓が大きいので、リビングダイニングに明るさや開放感が欲しい方におすすめの間取りです。

このタイプでは、廊下にもバルコニーにも面してない、窓のないお部屋ができてしまい、そのお部屋は通風や採光が期待できません。

また、そのお部屋を含めたすべての居室に、エアコンの取り付けが可能かどうかを確認しておく必要があります。

場合によっては、追加工事が必要になることもあります。

1-2. 縦長LDタイプの間取り

全ての洋室に窓が付いていて、リビングダイニングが縦に長いタイプの間取りです。

リビングダイニングの広さより、まずは洋室の部屋数を優先したい方におすすめです。

この間取りだと、リビングダイニングは壁が多く、家具の配置がしやすいというメリットがあります。

デメリットとしては、ダイニングとキッチンが奥まった位置にあるので暗くなりがちなことや、リビングとダイニングのゾーニングが明確ではないので使い分けしづらいと、いうことが挙げられます。

2. 3LDKに5人で暮らすメリット・デメリット

5人家族の住まいに3LDKを選んだとしたら、どんなメリットやデメリットが考えられるのか、挙げてみました。

2-1. 3LDKを選んだときのメリット

・4LDKに比べ、予算が節約できる

一般に1部屋増えると数百万円以上、分譲価格が上がると言われています。

子どもが3人いると、習い事や将来の学費などのために、手元にお金を残さなくてはいけませんし、家族の病気やアクシデントも心配です。

広い間取りも欲しいところですが、日々の生活にもできるだけ余裕を残しておきたいと考えると、3LDKに分があります。

・4LDKに比べ、供給量が格段に多い

不動産経済研究所のデータによると、2018年10月に首都圏で販売されたマンションのうち3LDK1830戸に対し、4LDK177戸と、3LDKの供給量がダントツに多くなっています。

※不動産経済研究所(2018年10月)

https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/349/68sr7q32.pdf

供給量が多いということは選択肢の幅も広くなり、マンションの立地、間取り、築年数、所在する階など、希望する条件に合った物件が、格段に見つけやすいことが想像できます。

・きょうだい・家族仲がよくなる

3LDKだと、子ども3人にそれぞれ個室を与えられないので、部屋をシェアするなど、全員個室がある場合よりも部屋にこもりがちにならず、自然とコミュニケーションをとる機会も増えますね。

2-2. デメリット

・子ども全員に個室を与えられず、プライバシーの点で不満が出る場合がある

同性のきょうだいで1つの部屋をシェアすればよいのですが、思春期はきょうだいの関係も難しく、また、1人だけ部屋を独占しているきょうだいに対して、不公平感を持つことも考えられます。

3人同性だった場合も、部屋割りが悩ましいところですね。

・来客などに対応できる予備の部屋がない

3人の子どもに2部屋ぶんの個室を持たせてしまうと、宿泊を伴う来客や、夫婦どちらかが家で仕事や作業、趣味などに没頭したい場合などに対応できる居室が足りないですね。

3. 5人家族にベストの間取りとは?

「夫婦の寝室が1部屋、残りの3人が1部屋ずつ、相部屋はなし」というゆとりある部屋割りだと、5人家族には「4LDKがベスト」という結論になります。

しかし、前に引用した不動産経済研究所のデータによると、4LDKの供給量は3LDKの10分の1です。

選択肢としては、かなり限られた物件になると言わざるを得ません。

また3LDKと4LDKでは、立地にもよりますが、数百万~1000万円ほどの価格差があると考えられ、子どもたちの大学卒業までの学費などもかかることから、現実的な結論として、3LDKを選択することは十分理にかなっています。

4. 5人家族で3LDKは十分快適に暮らせる

子どもが幼いときは親と一緒に過ごすことも多く、また、大学入学や社会人になって独立することも考えると、子どもに個室が必要な時期はせいぜい10年ほどと予想できます。

きょうだいの年が離れていると、相部屋で過ごす時期もそう長くはありません。

ここまで検討してきたメリットとデメリットを考慮すると、3LDKは5人家族が十分快適に暮らせる間取りであると考えられます。

厚生労働省の住生活基本計画における「居住面積水準」によると、「最低住居面積水準」は4人家族で50平方メートル、豊かな住生活に望ましいと考えられる「誘導居住面積水準」は、都市型で95平方メートルです。

1人に必要な面積が最低25平方メートルなので、5人家族だと最低80~120平方メートル程度の面積は欲しいところですね。

不動産経済研究所の2018年10月のデータによると、首都圏で販売されているマンションの平均面積は66.81平方メートル、最も販売されている間取りは3LDKで総数の約64%を占めています。

80平方メートル以上の3LDKは、容易に見つかりそうですね。

理想としては、100平方メートル以上あると余裕をもって生活ができそうです。

※住生活基本計画における「居住面積水準」

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000012t0i-att/2r98520000012t75.pdf

※不動産経済研究所(2018年10月)

https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/349/68sr7q32.pdf

5. 3LDKで5人家族が快適に暮らすためのヒント

5-1. 二段ベッドを活用

子どもの個室を相部屋にするとき、ベッドを2つ置ける広さがあればよいのですが、そうではないことが多いでしょう。

そういう場合、二段ベッドを活用すると問題を解決できますよ。

5-2. リビングで学習させる

相部屋に学習机を2つ置くと狭くなりますね。

小学生のうちなどは、リビングやダイニングで宿題などをさせるのもひとつの方法です。

親の目が行き届き、子どもも見守られている安心感を持って勉強に専念できるでしょう。

5-3. 間取りは収納にこだわって選ぶ

服、靴、遊び道具、スポーツ用品、習い事の道具など、子どもが多いほど、また成長に伴って物は増えます。

間取りを選ぶときは、収納能力にも注目しましょう。

住戸面積の8%程度の収納は欲しいところです。

シューズインクローゼットがあると、靴や傘、サッカーボール、バットなどを1か所に収めることができて便利です。

間取りを見るときにチェックしましょう。

6. まとめ

3LDKは、比較的幅広い家族構成に対応できる間取りです。

どうしても物理的、家族関係的に部屋割りがうまくいかない場合には、4LDKなどの間取りや中古物件も検討していく必要がありますが、まずは豊富な供給量がある3LDKで検討を重ねてみてはいかがでしょうか。