2LDK世帯のガス代っていくらぐらい?相場を知って「節約」へ

これから寒い季節が到来します。

冬になれば、暖房機器を使うご家庭も多くなってきますね。

今までシャワーだけで済ましていたお風呂も、これからは浴槽にお湯を溜めて入る、という人もいるのではないでしょうか?

そうなってくると気になるのは「ガス代」です。

「毎年のことだからだいたい予想がつく」とお思いの方もいるかと思いますが、ここでは「毎年かかるガス代がいくらか?」を説明するつもりはありません。

今回は、そのガス代が「高いか安いか?」を知っていただく話をしていきます。

ご近所さんには、いくらガス代を払っているかなんてあまり聞けないので、なかなか比較のしようがないのですが、実は国の統計データを洗い出してみると、データ上の相場と実際に払っているガス代には結構差があるのです。

それを見ると「何で我が家だけこんなに高いの?」と感じる方も多いものです。

今回はなぜそんなことになるのかを、2LDKの間取りにお住いの方々を基準に「ガス代の相場」と「相場と比べてガス代が高くなる理由」そして「ガス代を節約する方法」を挙げながら解説していきます。

1. 2LDKの間取りのガス代相場はいくら?

2LDKの間取りといっても、そこに暮らす方々の人数までは限定できません。

一人で住んでいる方もいれば、五人でお住いの方もいます。

さらには、それ以上の人数のご家庭もあるかと思います。

ここでは全国の世帯人員数の平均が約2.3名であることから、「二人暮らし」「三〜四人暮らし」のケースでお話をしていきます。

1-1. 二人暮らしのガス代相場

2017年度の政府統計によると、二人暮らし世帯のガス代の相場は全国平均で

4,285円

となります。

一人暮らしの場合3,080円なので、単純に倍にはなっていないのですが、二人暮らしと一人暮らしの差は1,205円、年間14,460円もの違いが出てしまいます。

二人暮らしになったばかりの方は、「こんなにガス代が上がるのか」と驚いた方もいるかと思います。

1-2. 三人、四人家族のガス代相場

では三人家族の場合、四人家族の場合はどうでしょう。

同様の統計データによると、

三人家族の場合5,133円

四人家族の場合4,911円

になります。

やはり二人世帯と比べると家族が増えた分、ガス代も上がりますね。

三人の場合に比べ、四人の場合がガス代が下がることは意外な感じがしたため、念の為、2016年の統計データも調べてみたところ、

2016年は

三人の場合5,170円

四人の場合5,276円

でしたので、2017年はたまたま四人の方が三人を下回ったのかもしれません。

とはいえ、2016年にしてもガス代の差はさほどないため「家族が増えればそれに比例してガス代も上がっていくわけではない」ということもわかります。

家族が増えて料理の量は増えても、調理の手間が激増するわけでもないですし、家族一人一人別々にお風呂を沸かすわけでもないですので、生活スタイルが変わらない限り、さほど差が出ないということでしょう。

2. 都道府県やガスの種類でガス代は異なる?

2LDKにお住いの家族のガス代の相場がわかったところで、ここから徐々に本題の「今払っているガス代が高いか安いか?」に移っていきましょう。

次は、「今お住いの地域やガスの種類でガス代は変わるのか」についてです。

結論から言いますと、ガス代は都道府県によっても異なりますし、ガスの種類によっても異なります。

ガスには大きく「都市ガス」と「プロパンガス」に分類できます。

都市ガスは道路下のガス管を通して供給されるガス、プロパンガスは「LPガス」と呼ばれるボンベを通して供給されるガスのことです。

都市ガスは、地下のガス管がなければ供給されないので、ガス管がないエリアは必然的にプロパンガスを使わざるを得ません。

これを踏まえて、まずガスの違いによるガス代について解説します。

一般的に都市ガスとプロパンガスの価格差は1.5〜3倍程度あり、プロパンガスの方が高くなります。

都市ガスは、国の認可が必要な「規制料金」システムで料金を設定しているため、厳密には全国一律の基本料金ではありませんが、ほぼ同額ではあるものといえます。

これに対してプロパンガスは、「自由料金」システムで料金を設定しているため、プロパンガス会社によってかなりの料金差が出てしまいます。

取り扱う業者が自由に料金を設定できるため、業者によって基本料金はまちまちです。

そのため、「都市ガスとプロパンガスの価格差は1.5〜3倍程度」という幅広な比較となってしまうわけです。

次に、都道府県によるガス代の違いについてです。

都道府県によってガス代が違うと言いましたが、都道府県によってガス料金が異なる最大の理由は、プロパンガスよりも安い「都市ガスの普及率」が関係してきます。

都道府県によっては、都市ガスの普及率にかなりの差が生じており、東京都や大阪府などでは約80%の普及率があるのに対し、多くの県で普及率が30%というのが実情です。

全国的に見ても、普及率は50%に満たないのです。

このことから、都市ガスが普及していないエリアは、プロパンガスの供給に頼ることになり、結果としてガス代はかなり高額になります。

3. ガス代を節約するためのお得情報

プロパンガスと都市ガスの違いはあるものの、ここまでの説明で「我が家のガス代は相場よりも高い」と思った方は、もしかしたら節約を意識して生活することで、ガス代が下がるかもしれません。

各家庭にはそれぞれの生活様式があるので一概に言えませんが、ガス代を節約するお得情報を参考に、少し見直しをしてみてはいかがでしょう。

ご家庭のガスは「キッチン」と「浴室」での使用が大きな割合を占めています。

ですので、このスペースでの節約を心がけると大きな節約につながります。

まず、キッチンスペースですが、

1 調理の際に落し蓋や鍋蓋をする

蓋をしないことで熱を逃がしたり、調理時間を必要以上にかけてしまうことになります。

鍋に蓋をすることで年間3.3m3(660円)、落し蓋をすることで年間21.7m3(4,340円)のガス代が節約できると言われています。

2 中火にする

必要以上に火を強くすると、当然ガス代はかさみます。

中火にするだけで年間2.38m3(476円)の節約につながります。

3 一つの鍋で同時に調理する

麺の茹で汁を捨てずに、野菜も一緒に茹でることで年間10m3(2,000円)の節約ができます

4 食器洗いは低温に設定する

寒い季節は冷たい水で食器を洗うのは大変ですが、給湯の温度を40度設定がら38度に設定するだけで、年間8.8m3(1,760円)の節約になります。

他にも調理の際に、圧力鍋や保温鍋を使ったり、余熱を利用したりするなどして、効率的にガスを使ったり、ガスコンロをこまめに掃除することで、熱効率を上げるなどの節約方法もあります。

次に浴室です。

この場所が、一番ガスの使用頻度が高いところではないでしょうか。

つまり、一番節約につながるスペースでもある、ということです。

1 浴槽の蓋をこまめに閉める

調理の際の鍋蓋と同じことですが、熱を逃がさないようにするとガス代の節約につながります。

年間17.6m3(3,520円)の節約です。

蓋をこまめに閉めるのが面倒な場合は、市販の保温シートを利用して熱を逃がさないようにするのもいいでしょう。

2 時間を空けずに入浴する

時間が空いてしまうと、何度も湯沸かしをしなければなりません。

家族で入浴時間を調整して、間隔を空けずに入浴することで、年間38.20m3(7,640円)の節約が可能です。

3 シャワーの時間を1分短くする

温水シャワーでかかるガス代は、意外に高いのです。

シャワーを1分間出し続けると、約12Lものお湯を使うことになります。

その分ガス代もかかります。

シャワーの時間を1分短くするだけで12.78m3(2,556円)節約できます。

ちなみに、4分シャワーを使うと浴槽1杯分になるので、シャワーではなく浴槽にお湯をためる方がガス代を下げる効果につながります。

(上記の情報は経済産業省環境エネルギー庁および東京ガスのデータをもとにしております。また料金単価は「200円/m3」で算出しております。ご契約中のガス会社によって料金単価は変わりますのであくまでも参考値としてください)

ここまで、比較的ガスの使用頻度の高いスペースでの、手軽にできる節約方法を挙げてみました。

このようなガスの使用を節約するための手段とは別に、「地下にガス管が通っていて供給が可能であれば、プロパンガスを都市ガスに変えてみる」「基本料金の高いプロパンガス会社から安い会社に変えてみる」「ガスの使用をやめオール電化にする」「支払方法をポイント還元のあるクレジットカード払いにする」といった契約や支払方法を見直す節約方法もあります。

これらはお住いの地域状況やライフスタイル、他の光熱費との兼ね合いもあるので、節約手段の一つとして頭の片隅においておいて、何かの時に考えてみるのがいいでしょう。

4. ガス代以外に必要な光熱費はいくら?【2LDK編】

ガス代以外にも必要な光熱費はあります。

電気代と水道代です。

ちなみに2LDK世帯、二〜四人家族の場合の光熱費全体の統計も出ているのでご紹介しましょう。

2017年度の政府統計では、1カ月あたりの光熱費総額は、二人世帯では19,117円になります。

内訳は、

  • ガス代:4,285円
  • 電気代:9,176円
  • 水道代:4,205円
  • その他(灯油等):1,451円

三人世帯では22,380円。

内訳は

  • ガス代:5,133円
  • 電気代:10,485円
  • 水道代:5,483円
  • その他(灯油等):1,280円

四人世帯では23,187円であり、

  • ガス代:4,911円
  • 電気代:11,239円
  • 水道代:6,071円
  • その他(灯油等):966円

※総額と内訳の誤差は四捨五入の関係。

世帯人員数が増えれば、光熱費も増える傾向にあります。

思いの外、光熱費がかかっていることが見て取れますが、ガス代以外にも電気・水道の節約によって、月々の支出を減らすことも考えなくてはいけないかもしれません。

5. 2LDKのガス代平均まとめ

今回は、2LDKの間取りに住む方々を基準に、ガス代の相場、都道府県別のガス代やガスの種類によるガス代の違いを解説してきました。

政府統計によると二〜四人世帯の家族の場合、光熱費は月の生活支出の約7〜8%が相場とされています。

この光熱費支出のうち、約22%がガス代です。

今回の内容を振り返って、今一度、生活費の中で光熱費が占める割合、光熱費の中でガス代が占める割合をチェックして、またガス代の相場との比較をしながら「我が家のガス代は高いか?安いか?」を把握していきましょう。

ガス代だけでなく、他の光熱費を含めて「節約できるところは節約」これが大事です。