家探しをしているときによく見かける「1LDK+DEN」という言葉がありますね。
このDENとは一体何なのだろう、と思っている人も多いのではないでしょうか。
1LDK+DENと書かれている場合、DENはお部屋なのかスペースなのか、どのようにして活用する部分なのか、非常に気になりますよね。
そこでDENについてと、1LDK+DENのお部屋の活用法についてご紹介していきます。
このページでわかること
1. 「1LDK+DEN」の「DEN」とはどんな意味?
1LDK+DENの「DEN」とは、納戸の意味で使われていることが多いです。
書面上は居住スペースではなく、収納などに使うスペースとされていますが、実際はお部屋として使う人が多いようです。
「DEN」は「穴」や「巣」といった英語で、その他に「(男性の)私室」、いわゆる隠れた書斎のようなイメージですが、建築基準法で常時生活する居住空間としての要件を満たしておらず、書斎とは明記でき来ないスペースをDEN(デン)と呼んでいます。
名称から受けるイメージと建物とのイメージを合わせるために、和風建築では「納戸」と書かれており、洋風建築では「DEN」と書かれていることもありますが、建築確認書類では、納戸と書かれて申請されることが多いです。
マンションなどの間取りでは、以前納戸がN、サービスルームがS、フリールームがFと表記されることが一般的でした。
このような表記が、最近ではDENとして書かれていることが多くなってきているのです。
DENといっても、英語の意味の通り採光が全く取れないということもなく、窓もあったりエアコンを取り付けられるようになっていたりと、普通のお部屋として使うのに全く問題がない場合も多く、厳密な定義はないようです。
2. 1LDKの間取りで見かける「DEN」の部屋の使い方
1LDK+DENという間取りのお部屋のDENをどのように活用するかは、その人次第です。
ライフスタイルに合わせて、DENのスペースを有効活用する例をご紹介します。
2-1. 「DEN」をリビングのサブスペースとして使う
リビングとDENが空間続きである場合は、リビングの一環として広々と使うことも可能です。
ソファを置くなど、ちょっとした休憩スペースとして使うのも良いですね。
2-2. 書斎やパソコンコーナーとして使う
そもそも書斎として使うことを前提に考えられているので、パソコンを使用する部屋として置くのも良いでしょう。
特に小さいお子さんがいる家庭では、極力お子さんにパソコン関係を触られたくないですよね。
DENにパソコンやプリンター等を置くようにすることで、いたずら防止にもなります。
2-3. 作業スペースにする
洗濯物を一旦取り込んで畳む場所にする、アイロンがけをするスペースにする、など作業スペースにすることで家事の動線がスムーズになりますよ。
2-4. 子どものプレイルームにする
DENをお子さんのプレイルームにしておくと、お子さんが常に遊ぶことができる空間になります。
2-5. 子ども部屋にする
1LDK+DENであれば、夫婦と子どもで暮らすことも可能です。
DENを子ども部屋として活用すれば、居住空間と子ども部屋を別に作ることができます。
2-6. 寝室にする
少し狭いDENでも、寝室には問題のないスペースです。
換気が悪い場合は難しいのですが、窓があるDENであれば十分寝室として使うことも可能です。
2-7. お仕事部屋にする
個人で事業をしている場合、DENを打ち合わせスペースなどにすることも可能です。
プライベートスペースのLDKとは別の空間になるので、人を招くことにも抵抗がないでしょう。
2-8. 自宅ショップのスペースとして使う
自宅でお店をしている場合は、DENをショップスペースとして使うこともおすすめです。
ギャラリーや雑貨店、リラクゼーションサロンなど、ちょっとしたショップとして使うにはぴったりのスペースになりますね。
3. マンションの間取りの疑問!「S」と「DEN」の違いとは?
マンションの間取りで時々見かける「S」と書かれた部屋、この「S」と「DEN」の違いをご紹介します。
3-1. 間取り図にある「S」とは?
Sはサービスルーム、納戸をさします。
建築基準法で採光や換気基準を満たしておらず、居室として認められない部屋をサービスルーム、納戸としています。
しかしSといっても十分な広さがあり、お部屋として使えるような場合も多くあります。
3-2. 「S」と「DEN」に明確な違いはない
「S(サービスルーム)」と「DEN(書斎・隠れ家)」は、明確な基準や違いはなく、どちらも建築基準法で居室としての基準を満たしていないことで呼び名が違うだけです。
建築基準法では、「人が居住・執務・娯楽などの目的のため継続的に使用する室」を居室と定めているため、S(サービスルーム)やDEN(書斎・隠れ家)は建築基準法に基づいて「居室空間」とは認められない部屋になります。
居室と認められるためには、採光や換気など、いくつかの基準を満たすことが条件になるのです。
さらに、居室空間にするためには窓の最低面積が決められており、「床面積の7分の1以上」の窓の大きさが必要になります。
そのため、何かしらの理由で採光に適する基準値の窓を設けられない場合は、S(サービスルーム)やDEN(書斎・隠れ家)と表記されます。
しかし、S(サービスルーム)やDEN(書斎・隠れ家) の中には、窓がついていたりスペースが広くとられているような場合もあるため、同じ「DEN」であってもその内容はまちまちです。
3-3. S(サービスルーム)やDEN(書斎・隠れ家)を居室にする場合の注意点
S(サービスルーム)やDEN(書斎・隠れ家) を「居住スペースとして活用しよう」と思う人も多いようです。
SやDENをどのように活用するかは、住む人の自由です。
しかし居住スペースとして利用する場合は、室内の設備に加え、周囲の環境を事前にしっかり目で見て確認しておきましょう。
現地での確認事項
- コンセントの数や位置
- 空調設備を付けることは可能か
- テレビ回線や電話回線の有無
- インターネット環境は良好か
- 窓の向こう側の共有スペース部分の環境はどうなっているのか(見落としがちですが、窓を開けて確認することはとても大切です)
建築基準法でS(サービスルーム)やDEN(書斎・隠れ家) は居室として認められていないので、コンセントやエアコンの設置穴がない場合があります。
エアコン穴がなく設置できないけれど、Sを居室として使いたい場合は、窓用エアコンを設置するという案もあります。
いずれにしても、物件を探す場合「1LDK+DEN」という文字だけで判断せずに、契約前には必ず現地へ足を運び、DEN部分を居住スペースとして利用できるのかどうか、上記のポイントを踏まえてしっかりチェックしておきましょう。
3-4. S(サービスルーム)やDEN(書斎・隠れ家)をそのまま収納として使う場合
S(サービスルーム)やDEN(書斎・隠れ家)は採光が少ないので、他の部屋と比較すると若干薄暗くなりますが、その分日光の影響を受けにくいというメリットもあります。
そのため、クローゼットとして利用するには最適なのです。
日焼けが心配な衣類や大切な書類などを保管するのにもとても便利ですし、保存食などをストックするパントリーとして利用するのも最適です。
パントリーとして利用する場合は、温度や湿度対策として除湿機を設置できると、湿気やカビ対策にもなるのでおすすめです。
4. 1LDK+DENの意味と部屋の使い方まとめ
1LDK+DENのDENについてと、部屋の使い方についてご紹介しました。
単に「納戸」と表記されていたら何となくありきたりなイメージですが、「DEN」と書かれていたら新しくイメージも変わってワクワクしてきます。
隠れ家や書斎として活用することができるとなると、夢が広がってくるのが「DEN」スペースです。
DENは居室空間と認められていませんが、趣味の部屋など多目的に使用することができます。
1LDKにDENがついていることで、居住スペースとは別の楽しみ方ができることと、ギャラリーや趣味の領域が広がる可能性もあります。
最近は古いマンションをおしゃれにリノベーションして、1LDK+DENとして貸し出しをしている部屋も多く見られます。
全く新しい空間として、自分なりの使い方ができるDENがあるお部屋の暮らし、ぜひオリジナリティ溢れる大人の楽しみ方を見つけて下さい。




