一人暮らし用の物件探しでは、ワンルームや1Kを考える人が多いですが、1LDKよりも手頃な家賃で面積が確保できる1DKも候補に入れてみませんか?
1Kはキッチンとベッドスペースが近過ぎで落ち着かないとか、収納スペースが少なくて困っていた、という不満を感じていたのなら、ちょっとだけ広い1DKがしっくりくるかもしれませんよ。
ここでは、1DKのメリットとデメリット、おすすめの収納などを紹介しましょう。
このページでわかること
1. 1DKは一人暮らしに最適な間取り?
1DKは、ダイニングキッチンの他にもう1部屋ある間取りなので、1Kやワンルームと比べて余裕があります。
では、一人暮らしで1DKに住むメリットとデメリットを見てきましょう。
1-1. 1DKのメリット
・キッチンとベッドルームを分けられる
ダイニングキッチンのスペースの他にもう1部屋あるので、キッチンとベッドルームを分けて使えます。
ワンルームでは、お料理の匂いや油分がベッドまで漂ってきやすく、寝具に匂いがついてしまうなどの悩みがありますね。
1DKのようにスペースが分かれていれば、空間が仕切られているので気になりにくいですよ。
・キッチンが広く使える
1Kなどと比べると、2口コンロが置ける作り、シンクが大きめになっていることが多いので、自炊しやすく調理を楽しめます。
1Kではキッチンが狭くて物足りないという方は、1DKの方が使いやすいキッチンが見つかりやすいですよ。
独立したDKスペースがあると、調理家電を置くゆとりもあるので、炊飯器、オーブンレンジ、冷蔵庫がきちんとおけて、食器を収納するスペースが確保できます。
「カフェのようなレイアウトにして友人をおもてなし」なんて憧れますね。
・ゆとりがあるのでレイアウトを楽しめる
1Kでは置きたい家具もおけないし、おしゃれなインテリアを楽しみたくても、ごちゃごちゃした印象になってうまくいかない…という悩みが解消できます。
ダイニングキッチンに、リビング風のコーナーを家具の配置で作る、居室スペースに好みの家具を集めて統一感のある空間を作るなど、お部屋づくりが楽しめますよ。
・収納スペースが広く使える
1Kよりも収納が広いですし、作り付けの収納が小さくてもお部屋そのもののスペースが広いので、収納場所を確保しやすくなります。
持ち物が多い、趣味の道具があるなど、広い収納場所が欲しい場合にも、1DKに暮らすメリットが大きいでしょう。
・プライベートスペースが確保できる
ダイニングキッチンで過ごせるレイアウトにしておけば、居室部分のプライベート性が保たれるので、気兼ねなく友達を招待できます。
ダイニングキッチン以外にお部屋があり、収納にゆとりがあるということは、ものの居場所が確保できて、メリハリのある使い方がしやすいのです。
1-2. 1DKのデメリット
・広いので掃除が面倒
一人暮らしでは、当然自分で掃除をしなければなりません。
家にいる時間が限られている人にとって、スペースが広い部屋は掃除の労力が負担になることがあります。
インテリアに凝っていると、掃除に手間がかかりますし、コンパクトな部屋のほうが良かった、と思うこともあるかも知れません。
・1Kなどより少し家賃が高い
同じ立地条件の場合、専有面積が広くなる分、家賃が高くなる傾向があります。
学生などで少しでも家賃が安いところに住みたい場合や、ものがはじめから少ない場合には、1Kやワンルームのほうが予算にあったお部屋を探しやすいでしょう。
2. 1DKの家賃相場はいくら?一人暮らしでも高くない?
専有面積が確保しやすく、1Kやワンルームよりも断然使いやすそうな1DKですが、家賃が高くなる傾向が心配です。
どれくらいの家賃相場なのかみていきましょう。
(大手不動産サイト2018.11月末調べの情報を参考にしています。)
2-1. 東京23区内の家賃相場
東京23区では山手線沿線、新宿から恵比寿にかけての西側のエリアでは、家賃が高めの物件が多くなっています。
ただし、築年数によっては立地条件が良い割に家賃が安いことがあり、掘り出し物と感じる物件に出会うかもしれません。
また、はじめからできるだけ家賃が安い物件を狙うなら、東側、北側のエリアを検討してみるのも手です。
- 港区1DK(1K)⇒13.9万円(11.3万円)
- 千代田区1DK(1K)⇒13.7万円(11.7万円)
- 渋谷区1DK(1K)⇒12.90万円(9.40万円)
- 目黒区1DK(1K)⇒10.70万円(8.7万円)
- 新宿区1DK(1K)⇒10.50万円(8.30万円)
- 豊島区1DK(1K)⇒9.50万円(7.90万円)
- 荒川区1DK(1K)⇒8.35万円(7.30万円)
- 葛飾区1DK(1K)⇒6.50万円(6.10万円)
家賃平均の上位5つと、東、北側にある区の平均を書き出してみました。
上位の区では、1DKにするか1Kにするかで2~3万円の差が出てきます。
学生の一人暮らしとして考えると、少し贅沢に感じるかもしれません。
ただ、少し広いところに住みたいと考えて1LDKを探すとなると、都心では20万円を超えるケースもでてきますから、かなりの負担になります。
高収入でなければ、他の出費をかなり切り詰めることになり、誰もが払える金額ではないでしょう。
上位5区以外ならば、1LDKにしてももう少し安く見つけられるかもしれませんが、1DKと比べると2~3万円ほど上乗せした価格帯になるでしょう。
少しでも広い部屋に住みたいという場合、1DKがおすすめですが、1Kと比べて2万円前後余計に出費することになります。
収入がある程度あって負担に感じない、メリットに価値を感じられる、タイミングよく入れそうな物件が1DKだった…という場合に選ぶと良いのではないでしょうか。
2-2. 東京通勤圏内の家賃相場
では、東京23区以外のエリアでの1DKと1Kの差をみていきましょう。
鉄道路線が便利なところでは、東京都内よりも相場が高くなる場所もあるほどです。
神奈川県の場合、東京で家賃の高い傾向にある西側の地区の延長線上にあり、東京から離れても横浜に近づいていく地理的な条件のためもあって、やや高くなっています。
しかし、1DKの家賃相場が7万円台~8万円ほどとした場合、1Kとの差は1万円前後と縮まってきます。
- 神奈川県川崎市川崎区1DK(1K)⇒8.10万円(7.0万円)
- 埼玉県さいたま市浦和1DK(1K)⇒6.0万円(6.0万円)
- 千葉県船橋市1DK(1K)⇒7.6万円(6.0万円)
1LDKの相場は、川崎市なら11.6万円ほどです。
どうしても広さを優先したくて、渋谷や新宿に乗り換えなしでいける物件を探すのであれば、神奈川県側など路線で物件探しをするのが良いでしょう。
3. 1DKの一人暮らしにおすすめの家具配置例
1DKでは、ダイニングキッチンを区切るか区切らない、居室スペースを区切るか区切らない、スペースを大きなワンルームとして使うといったレイアウトが考えられます。
ダイニングキッチンそのものが10帖以上ある場合には、LDKと表示されることもあるので、ダイニングキッチンは10帖未満になると考えて家具配列を考えてみましょう。
3-1. ソファなどは壁につけて通路を確保する
1Kよりは専有面積が広いといっても、ダイニングキッチン部分は4.5帖から8帖程度が多いものです。
間取りによっては、家具が通路をふさいでしまうでしょう。
できるだけ壁に寄せて、通路や動線を確保できる家具配列になるようにすると暮らしやすくなります。
3-2. ダイニングチェアをソファにしてリビングと兼用
ダイニングテーブルと合わせるチェアをソファにすると、くつろぐスペースが一緒に取れて省スペースになります。
ダイニングキッチンを広く使いたい、奥の方を区切ってベッドスペースを作りたい、収納コーナーを作りたいというときには、ダイニングテーブルまわりをコンパクトにまとめる必要があるでしょう。
3-3. DKを区切らず広く使うとき
間取りによっては採光が居室にしかなく、間仕切りを開け放して使うことが多い1DKもあります。
窓に向かう視線が背の高い家具で区切られてしまうと、圧迫感がでるだけでなく、日当たりも悪くなってしまいます。
家具の配置で区切るよりも、カラーや敷物などでまとまりを感じさせるゾーニングの手法を使うのがおすすめです。
4. 1DKの一人暮らしの部屋の使い方やインテリアレイアウトのポイント
1DKの平均的な広さは35㎡ほどで、その場合の間取りにはこんな特徴があります。
- 水回りが一方向に集まっている、またはキッチンを囲む配置
- 窓が奥に1箇所で空間を大きくつなげやすい作り
- 間取りが変形型で居室の独立性が高い
- 廊下があっていきなり部屋の奥が見えない間取りは、居住スペースが狭くなる
- 間取り配置によって脱衣スペースがない、トイレや浴室にDKを通って行く
それぞれの特徴に対応するには、どんなレイアウトのポイントがあるかみていきましょう。
4-1. 水回りが集まっていてDKとの動線が分けられている
水回りが集められている間取りの中には、キッチン周りにトイレや脱衣所の出入り口があり、動線が重なってしまうことがあります。
一人暮らしで来客が少ない場合には、むしろキッチンを中心に、家の中のどこに移動するにも近いと感じるかもしれませんが、ダイニングテーブルを置きたい場所が動線をふさいでしまうなど、不便なケースもあります。
トイレや浴室の動線がキッチンと別の壁側に寄っていると、キッチンの調理スペースに並べてダイニングテーブルが置きやすく、使い勝手も良いでしょう。
4-2. DKがコンパクトで水回りの動線が重なっている
DKが4.5帖ほどで居室が8帖、水回りの動線が重なっているという間取りなら、DKにダイニングテーブルを置かず、調理スペースと割り切って使うのも良いでしょう。
動線が重なる場合には、使える壁面が限られてしまうので、冷蔵庫や食器棚を置く場所に困ることもあります。
居室との開口部が大きく連続性が良いなら、DKとの間に収納付きカウンターを置いて、食事スペースを作っても良いでしょう。
居室部分が広いのなら、パーティションで区切ってベッドコーナーが作れるので、食事場所を居室に寄せても、空間を使い分けられますよ。
4-3. 廊下があり居住スペースがコンパクト
玄関に入って廊下がある間取りは、トイレや浴室の出入り口が、DKや居室にダイレクトにつながらないメリットがあります。
少し居室が小さくなってしまいますが、部屋の中に動線が重なりにくく、落ち着いて過ごしやすいと感じる人も多いでしょう。
浴室横に洗濯機を置いていても、部屋に音がひびきにくいなどのメリットがあります。
部屋の壁面が取りやすく家具を寄せておけるので、それなりに床を多く見せてゆったり見せる配置で、居室の狭さをカバーできます。
部屋としての独立性をもたせやすいので、8帖ほどのDKなら、ダイニングソファとダイニングテーブルを使い、TVなどを置いてリビングのように使うこともできます。
すると、居室はベッドと収納スペースとして役割が分けやすく、片付けやすい使い方ができますよ。
4-4. 窓が奥に1箇所で間仕切りがある作り
1DKの場合、専有面積全体が35㎡程度の広さがあり、長方形の短辺側のみ1箇所にしか窓がない場合があります。
こうした間取りの場合には、建築法の縛りがあり、壁を立てず間仕切りで居室スペースと区切っています。
開口部が広いので、大きく広いワンルームのような使い方ができます。
また壁面が多いので、壁に大きめの家具を配置するスペースが確保しやすいメリットがあります。
ただし窓が少ないので、窓に対して平行に家具を配置すると、視線が通らずに圧迫感が出やすくなります。
コーナーを区切るためにインテリアを配置するなら、視線をカットしない低いものにします。
ラグなど敷物で雰囲気を変える、ベースカラーでまとまりを感じさせるコーディネートにするゾーニングの手法を取り入れると、窓まで目線が連続しているので、広さが強調されてゆとりを感じやすくなります。
ゾーニングで空間のまとまりを感じさせたいなら、色の数を絞り、カラーの統一感を大事にした配置に気を配ることがポイントになります。
4-5. 専用の趣味部屋がほしい
独立した居室があるので、仕事部屋、勉強部屋、衣装部屋、趣味の道具収納など、ワンルームではやりにくかった使い分けがしやすくなります。
DKが広いなら、パーティションで区切った空間にベッドを置いて、居室を決まった使いみちに特化してしまうことができますね。
くぎやネジを壁に打ち込まなくても柱を立てられるディアウォール、ラブリコ、ピラーブラケットなどを使うと、作り付けのようなかなり強度の高い壁や棚を作ることができます。
ウォークインクロゼットのように、空間いっぱいに無駄なく棚を造り付けて、好みの収納を作ることができます。
ロードバイクを吊り下げてディスプレイする、サーフボードや釣り道具など趣味の道具をインテリアのように部屋に置いておきたいというときにも、1DKのメリットが発揮されます。
手作り品の製作をする趣味がある人も、製作途中のものをそのままにしておけるので、乾燥や塗装、接着などの工程を気にせず、時間のある時に少しずつ進めやすく便利です。
DKやリビング的な過ごし方をするスペースと別に専用の趣味部屋があると、ちょっと贅沢な気分が味わえますし、「家賃を少し上乗せしてでも1DKにしてよかったな」と感じられる使い方ができますね。
5. 収納が欲しい!女性の1DK一人暮らしにもおすすめインテリア8選
おしゃれな女性は持ち物が多く、「とにかく収納がほしい」と物件選びの条件にしている人も多いものです。
そこで、収納力が高い、おしゃれに収納できる、使いやすいお部屋が片付く…そんなおすすめインテリア8選を紹介しましょう。
5-1. デイスプレイスペース付きのテーブル
1DKはリビングスペースを作れるので、センターテーブルが欲しくなるでしょう。
そんなとき、ボックスにガラス天板を組み合わせたデザインのテーブルを使うと、収納ボックス・デイスプレイを兼ねて使えます。
普段遣いのアクセサリーを並べてもかわいいですし、普段くつろぐときに目につく場所に整理して飾ることができるすぐれものです。
5-2. IKEAのカラーワゴン
丈夫な金属製ですが、抑えたトーンのパステルカラーがかわいいので、場所を移動させて使いたいグッズをまとめて収納しておくのにもってこいです。
趣味の製作をするなら、裁縫道具や接着剤、塗料や筆をまとめることができますし、メイク関連のものをまとめておけば洗面所で使う、座って落ち着いて作業したいときにはダイニングテーブルに持ってくる、という使い方ができます。
お気に入りの本をまとめて置く、根菜などの保存場所、キッチン用品をまとめるなど、どんなシーンでも可愛くまとまります。
5-3. カウンターとスツールでカフェ気分
「ダイニングキッチンが狭いけれど作業スペースと食事スペースを確保したい!」というとき、カウンターとスツールがおすすめです。
もともとあるカウンターにスツールをセットして食事ができるようにすると、省スペースな上におしゃれな雰囲気になります。
また、収納付きカウンターをセッティングすると、調理スペースとの仕切りになりますし、調理器具や食器を収納する場所を増やすことができます。
5-4. キッチンの壁・パーティションに有孔ボード
有孔ボードは、収納したいものに合わせて棚やフックを自由にセットできるので、スッキリ片付けられます。
収納するもののサイズや形にとらわれないので、置き場に困る観葉植物をネットで吊るしたり、小さな棚に並べて置いたり、試験管のような細い一輪挿しを使ってアレンジしたり、スペースのセンスアップにも役立ちます。
アイデア次第でいろいろな使い方ができるのが魅力です。
5-5. 収納ベンチ・ソファー
タンスを置くと圧迫感がある時、視線が通りやすい背の低い収納を活躍させましょう。
背が低くてスペースを無駄にしない収納ベンチやソファなら、座るスペースと収納のスペースが一緒になっているので、部屋を広く使えます。
壁際に寄せて置いたベンチやソファに収納できると、片付ける場所が増えて散らかりにくくなります。
普段過ごす場所によく使うものを片付ける指定席が作りやすくなる点でも、メリットがあります。
5-6. 畳ユニットで収納力アップ
天板が畳敷きになったユニットを置くと、小上がりのように使えます。
台座が引き出しになっているとタンスのように使えますし、天板が跳ね上げになっているなら、大きなものをざっくり片付けるのにも活躍します。
1Kよりも広いけれど、レイアウトを楽しむにはちょっと狭い…そんな悩みを解決してくれるでしょう。
5-7. ファブリックとポールで収納万能スペース
生活感が出てしまってうまく片付かないという場合、根本的に解決するには、持ち物を見直してスペースに見合った量に減らすことが必要です。
でも、愛着あるものは捨てられないし目隠しでなんとか解決したい時に、ファブリックとポールを使うとすっきり感が出せます。
片付けたいラックの奥行きに合わせて、突っ張り棒とファブリックで隠してしまえば統一感が出ますし、布なので圧迫感が少なく柔らかな印象になります。
ディアウォールだと大げさになってしまうときには、ハンガースタンドやメタルシェルフを目隠しして使ってみましょう。
5-8. ディアウォールなどの突っ張りアイテム
「収納する方法やサイズに合わせて、限られたスペースを使い切りたい」という人には、ディアウォールなどの突っ張りアイテムがおすすめです。
賃貸では壁にネジや釘などは、原状復帰を考えるととても使えないので、DIYしたくてもできませんね。
ところが、こうしたツーバイフォー木材をしっかり突っ張りで固定するアイテムを使うと、パーティションや、棚板を立てた柱にネジで固定して、自由にレイアウトできるので、劇的に収納力があがります。
天井まで無駄なくスペースを仕切って、ショップのように収納できる棚があると、使い勝手も良いですね。
6. まとめ
- 1Kよりもちょっと家賃が高くなるものの1DKでの一人暮らしは快適
- 1DKならスペースを割り振るバリエーションが増えて収納量もアップする
- 収納の工夫で1DKでもおしゃれなレイアウトができる
2万円ほどの上乗せで、都内でも1DKが見つかります。
1Kに物足りなさを感じていたのなら、使い方のバリエーションが豊かになる1DKを検討してみると良いですね。




